米中対立リスクと新型コロナ第2波リスクが南アランド相場の重石
〇南ア円米中対立激化リスク等に週央にかけ、約1週間ぶり安値6.24円まで下落
〇週後半にかけては、リスク選好強まり、約1ヵ月ぶり高値となる6.38円まで上昇
〇テクニカル的には「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状
〇南アフリカ国内での感染者数急増が懸念材料
〇南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ6.15ー6.45
今週のレビュー(7/6−7/10)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.31円で寄り付いた後、@南ア第2四半期BER消費者信頼感指数(結果▲33、予想▲21)の冴えない結果や、A新型コロナ第2波リスクへの警戒感(アフリカ諸国で感染拡大の動き)、B米中対立激化リスク(中国の景気先行き不透明感→中国と経済的な結び付きの強い南アフリカ経済の先行き不透明感→南アランド売り)が重石となり、週央にかけて、約1週間ぶり安値となる6.24円まで下落しました。しかし、一目均衡表転換線及びボリンジャーミッドバンドに続落を阻まれると、C株高・原油高を背景としたリスク選好ムードの高まりや、D世界的な景気刺激策(金融緩和+財政出動)への期待感(投資家心理の改善ムード)が支援材料となり、週後半にかけては、6/11以来、約1ヵ月ぶり高値となる6.38円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局6.37円前後での越週となっております。
来週の見通し(7/13−7/17)
南アフリカランド円相場は、6/18に記録した安値6.09円をボトムに反発に転じると、7/9には一時約1ヵ月ぶり高値となる6.38円まで上昇しました。この間、一目均衡表雲上限や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表基準線を上抜けするなど、テクニカル的にみて、「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(今週発表された南ア4ー6月期BER消費者信頼感指数は1985年以来の大幅悪化)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題、B米中対立激化懸念(全人代は6/30、香港国家安全維持法案を可決。米上院は7/2、中国に制裁を科す香港自治法案を全会一致で可決。米中対立リスクが再燃すれば、中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済に悪影響が及ぶ恐れあり)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナ第2波リスク(南アフリカ国内で感染者数が急増。南アフリカの大都市ヨハネスブルグのハウテン州の首相が新型コロナウイルスに感染)など、南アフリカランド売りを想起させる不安材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸を阻む」シナリオが想定されます。新型コロナ第2波リスクを巡るヘッドライン(南アフリカ国内における感染拡大→ロックダウン再開の恐れ)や、米中対立リスクを巡る続報(トランプ米大統領はファーウェイなど中国5社の製品を使った企業の物やサービスの発注を禁止する規制を完成させる予定)、欧米株や原油先物価格の動向、南アフリカの主要経済指標(7/15に発表される南ア消費者物価指数、7/16の南ア生産者物価指数など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(南アフリカ国内における感染者数急増及び米中対立激化懸念→南アフリカ経済の先行き不透明感→リスク回避ムード再燃→株安・南アフリカランド売りへの波及経路を想定)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.15ー6.45
南アフリカランド円日足
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