もみあい継続も上値は重い(週報7月第1週)

今週は107.00レベルをサポートに108.00レベルをレジスタンスとする流れを見ておきたいと思います。

もみあい継続も上値は重い(週報7月第1週)

もみあい継続も上値は重い

今週の週間見通し

先週のドル円は前週からの買い戻しに、月末実需による円売りが加わり、更には予想通りに悪い日銀短観にも関わらずストップをつけずに108円台乗せという動きが上を試し過ぎたという動きでした。その後は急速に反落し107円台半ばを落ち着きどころとして週末まではもみあいを続けました。

日銀短観は悪くて当たり前という最近の経済指標に対する反応と同様でしたが、その前の月末の特殊要因に惑わされてドルを買った向きが投げさせられと、前週に円高を試して失敗したのと同じような結果となりました。先行きの見通しは4〜6月期に比べて改善見通しとなっていますが、新型コロナの感染者は各国同様に経済活動再開以降の東京を中心に高水準となっています。米国や欧州では店舗の営業制限や一部で再ロックダウンという動きも見られ、日本においてもここから本当に改善していくのか、あるいは何らかの制限が加わり改善の足枷となるのか現時点では何とも言えない状況です。

もともと欧米に比べると感染者数も落ち着いた推移をしていたことから、以前ほどの規制はされないとは思いますが、これまでのテレワークは半数程度で継続しそうですし、先日大学関係者の方と話をした時には、誰でもワクチン接種が出来る状態にならなければ学生に出席も強要できないし、かといってオンライン授業だけにも無理があり、試験の対応等も含めて解決すべきことが多いとのことでした。

社会人も学生もおそらく街での活動が低迷した状況は今後も続くであろうことを考えると、果たして補助金が切れた先には何があるのか、中銀は無制限という言葉を使いますが。財政面のことを考えると補助金は無制限には出来ません。どの国も大きな金額を用意してはいますが、年内には補助金の金庫も空になるというイメージです。当初はそれまでには、感染者数現象と経済活動再開という見通しであったはずですが、どうも想定よりも後ろにずれていくというのが冷静な見方では無いかと考えています。

そうであるならば、やはり現在の楽観的な見通しに下方修正が入り、そう遠くないうちにそうした見方も出てくるのではないかというのが個人的な見通しです。今後考えられる動きとしては、経済復興の遅れやそれを嫌気した株式市場の調整(以前のような短期急落ではなく、どちらかというと中期的なじり安のイメージ)、そしてリスクオフの動きから為替市場は円高リスクが出てくるというところでしょうか。今すぐという話では無いものの、リスクオフにバイアスがかかりやすいと見ています。

今週は目立った経済指標やイベントも多くはありませんので、テクニカルに日足チャートを見てみましょう。

今一度3月のドル資金不足によるドル買いの動きが収まって以降の動きをテクニカルに振り返ると、5月安値105.99と6月高値109.85の水準をどう見るかということになりますが、安値は3月安値と3月高値の半値押し106.43(ピンクのターゲット)とほぼ重なり、高値は3月高値と5月安値の61.8%戻し109.51(紫のターゲット)と誤差の範囲です。

そして、先週高値は5月高値と6月安値の半値戻し107.96(青のターゲット)とかなり近いところで反落してきました。すると、次に考えるべき動きは6月安値と先週高値との半値押しとなる107.12(黄緑のターゲット)となってきます。多少の誤差を考えても先週高値とこの半値押しの中での推移がテクニカルには支持されると考えていますので、今週は107.00レベルをサポートに108.00レベルをレジスタンスとする流れを見ておきたいと思います。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2020年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、クリーブランド、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

7月6日(月)
15:00 ドイツ5月製造業新規受注
17:30 英国6月建設業PMI
18:00 ユーロ圏5月小売売上高
22:45 米国6月サービス業PMI
23:00 米国6月ISM非製造業指数

7月7日(火)
07:00 NZ4〜6月期企業信頼感
13:30 豪中銀政策金利発表
15:00 ドイツ5月鉱工業生産
15:45 フランス5月貿易収支
17:00 南ア4〜6月期消費者信頼感
22:00 (アトランタ連銀総裁講演)
27:00 (サンフランシスコ連銀総裁、リッチモンド連銀総裁講演)

7月8日(水)
08:50 本邦5月貿易収支(国際収支)
23:30 週間原油在庫統計
25:15 (アトランタ連銀総裁講演)

7月9日(木)
08:01 英国6月住宅価格
**:** 黒田日銀総裁挨拶
10:30 中国6月CPI・PPI
15:00 ドイツ5月貿易収支
18:30 南ア5月鉱工業生産
20:00 南ア4月製造業生産
21:30 米国新規失業保険申請数
23:00 米国5月卸売売上高・在庫

7月10日(金)
15:45 フランス5月鉱工業生産
16:00 トルコ4月失業率
21:30 米国6月PPI

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

6月29日(月)
ドル円は東京市場では買いが先行したものの上値を押さえられ、後場には下押ししても下げきれずと方向感がはっきりしない流れが続きました。それでも底堅い株価とともにじり高の動きが続く中、NY市場に入り前週高値を上抜けるとストップオーダーも巻き込みダウ上昇も支えとなって一段高。一時107.89レベルの高値をつけましたが、引けにかけては利食い売りも出て107円台半ばへ押して引けました。

6月30日(火)
ドル円は東京仲値前に若干ドル買いが入って以降はNY市場の朝方までまったく動かずの展開が続きました。NY市場前場にはポンドを中心として欧州通貨に月末の買いが入り、ドル円はその影響からドル売りとなったものの東京早朝安値に並んでからは反転上昇、強い米国経済指標や月末の実需のドル買いから引けにかけては108円目前の高値引けとなりました。

7月1日(水)
東京朝方に発表された4?6月期日銀短観はほぼ予想通りの悪さで大企業製造業DIはリーマン・ショック以来のマイナス幅を記録しました。しかし短観発表直後は前日NY市場におけるドル買い戻しが出切っていなかった様子でストップオーダーから108.18レベルまで上昇。その後は遅れて反応を見せた株式市場とともにリスクオフによる円買いの流れが続きました。高い水準でドルを買ってしまった向きのストップも出てNY市場の朝方には107.36レベルまで下げ、安値圏でもみあいのまま一日を終わりました。

7月2日(木)
ドル円はNY市場が始まるまでは107.45水準での小動きに終止していました。NY市場に入り発表された雇用統計は予想よりも改善が見られたことで、株式市場とともにドルは上昇、しかし107.62レベルの高値を見た後は引けにかけてはやや押し、米国3連休を前に冴えない一日で終りました。

7月3日(金)
NY市場が3連休となる金曜ということもあり、全般に低調な取引が続きました。ドル円は107円台半ばでわずか14銭レンジと全くの動意なしでしたが、107円台半ばは居心地が良い様子で3日近く似たような水準での取引が続いての週末クローズとなりました。

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