オーストラリアドル週報(2020年7月第1週)

2日に発表されたオーストラリア5月の貿易収支は+80億2500万豪ドルとなり、市場予想の+90億豪ドルに届きませんでしたが、前月の黒字が10億豪ドル下方修正されたことが主要因で、5月は輸出、輸入ともに小幅な減少に留まっています。また3日に発表された5月の小売売上高は前月比+16.9％（4月▼17.7％）と市場予想の+16.5％を上回り過去最大の伸びを示しました。為替市場はこの結果には大きく反応せず、豪ドルは対米ドル、対円で小幅な上昇に留まっています。一方、新型コロナウィルス感染の再拡大が認められるアメリカは、雇用統計などの主要経済指標が好数値であったものの、経済の腰折れ懸念が払しょくできず、景気先行きへの不透明感から“リスクオン”の動きも限定的なものに留まっています。

チャートを見ると、日足は3/19に付けた59.91を基点として下値を切り上げる流れを守っています。また、6/8に付けた76.78を直近高値として上値を切り下げて来た短期的なレジスタンスラインからも若干上抜けた位置で推移していますが、個々の足は強いものではなく、また、73円割れで終えた場合は下値リスクが点灯します。短期トレンドは72円割れで“豪ドル弱気”に変化して一段の下落に繋がり易くなります。日足の上値抵抗は74.70-80、75.00-10、76.10-20に、下値抵抗は74.00-10、73.10-20、72.50-60にあります。21日移動平均線は74.24に、120日、200日線は70.86と72.29に位置しており、“豪ドル強気”の状態にありますが、75〜76円台に強い抵抗が控えており、急伸にも繋がり難いでしょう。

一方直近の週足は、実体の小さい陽線で続落を食い止めており、上値トライの可能性に繋げています。今週は上値余地を探る動きが継続中ですが、75円台にしっかり乗せて越週するまでは下値余地も拡がり難い状態です。また、この場合でも76〜77円台の強い抵抗を一気に上抜けるには無理がありそうです。週足の上値抵抗は75.00-10、76.10-20に、下値抵抗は73.80-90、73.00-10にあります。31週、62種移動平均線は、71.77と73.02にあり短期トレンドをサポート中ですが、73円割れで越週した場合は下値リスクが点灯します。
また、6月足は陽線引けとなりましたが、上値を切り下げる流れからは上抜けておらず、また、上値トライにも失敗した形で終えています。77.21に位置する31ヵ月移動平均線を上抜けられずに終えており、77円台の抵抗を上抜けて越月するまでは下値リスク残した状態です。