ロックダウン解除を受けて2か月半ぶり高値圏へ急伸。過熱感に注意
〇南アランド円週初6.11まで軟化後、先行き楽観ムード、株高等で一時6.53まで上昇
〇テクニカルには地合いの強さ印象づける形状なるも、一目均衡表雲上限6.54には到達せず
〇ファンダメンタルズは南ア経済を巡る先行き不透明感、国営電力会社の負債問題等不安材料多い
〇南アフリカランド円反落がメインシナリオ
〇南ア円来週の予想レンジ6.15ー6.65
今週のレビュー(6/1−6/5)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.13円で寄り付いた後、早々に安値6.11円まで軟化しました。しかし、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、@世界的な外出規制の緩和を受けた楽観ムードの広がり(※南アフリカにおいても6/1より約2ヵ月にわたって続けてきた都市封鎖を一部解除。屋外における仕事や礼拝、スポーツ、ショッピングが認められるようになる他、鉱業や製造業のフル稼働操業も容認)や、A株高・原油高を受けた投資家心理の改善期待(リスク選好のドル売り・円売り→クロス円急伸→新興国通貨急伸)、Bショート勢のロスカット(ショートカバー)、C米中対立激化リスクの後退が支援材料となり、週末にかけて、3/16以来、約2ヵ月半ぶり高値となる6.53円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局、6.49円前後での越週となっております。
来週の見通し(6/8−6/12)
南アフリカランド円相場は、4/24に記録した史上最安値5.60円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、約2ヵ月半ぶり高値となる6.53円まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限を上抜けするなど、テクニカル的にみて、「地合いの強さ」を印象づけるチャート形状となっております(目先は一目均衡表雲上限が位置する6.54円を突破できるか否かに注目。今週は6.54円に一歩届かず、6.53円で頭打ちとなった)。
一方、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題、B米中対立激化の再燃懸念(今週は米中対立リスクが幾分和らぐも事態は依然流動的。米中対立リスクが再燃すれば、中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済に悪影響が及ぶ恐れあり)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナ第2波リスク(外出規制解除後に感染者数が増加に転じるリスク)など、不安材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に力強さが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。新型コロナウイルスに絡むヘッドライン(ロックダウン一部解除後の感染者数の状況)や、米中対立を巡る各種報道、株価や原油価格の動向を睨みながらも、当方では、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(※ショートカバー一巡後の反落リスクに要警戒。RSIが80%程度とやや過熱感が見られることや、強力なレジスタンス一目均衡表雲上限が上方に控えていることから、来週は戻り売りが強まる展開に要注意)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.15ー6.65
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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