リスクオン継続も週後半にかけて伸び悩む展開。反落リスクに警戒か
〇トルコリラ円は今週世界的リスクオンの動きPMIの改善国内感染者数の落ち着きで一時16.26に急伸
〇トルコリラ円、テクニカルに持ち直しの動きが見られるも、ファンダメンタルズの弱さが続伸を阻むか
〇トルコリラ売りを想起させる不安材料山積み
〇トルコリラ円来週の予想レンジ16.00ー16.50
今週のレビュー(6/1−6/5)
今週のトルコリラ円相場は、週初15.79円で寄り付いた後、早々に安値15.74円まで軟化しました。しかし、先週末金曜日に記録した安値15.66円をバックに下げ渋ると、@世界的な外出規制の緩和を受けた楽観ムードの広がりや、A株高・原油高を受けた投資家心理の改善期待(リスク選好のドル売り・円売り)、Bトルコ5月製造業PMIの良好な結果(結果40.9、前回33.4)、Cトルコ国内における感染者数の落ち着きが支援材料となり、週央にかけては、4/10以来となる高値16.26円(約1ヵ月半ぶり高値)まで急伸しました。もっとも、D6/3に発表されたトルコ5月消費者物価指数が市場予想を上回ると(結果11.39%、予想11.00%)、インフレ高進を通じた実質金利の低下が重石となり、週後半にかけて伸び悩む展開に。結局16.17円前後での越週となっております。
来週の見通し(6/8−6/12)
トルコリラの対円相場は、5/7に記録した史上最安値14.65円をボトムに反発に転じると、今週半ばにかけて、約1か月半ぶり高値となる16.26円まで急伸しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、一目均衡表雲下限やボリンジャーミッドバンドを上抜けするなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象づけるチャート形状となっております。
但し、ファンダメンルズ的に見ると、@トルコ経済の先行き不透明感や、A外貨準備急減を受けたリラ安防衛能力への不信感、Bトルコ中銀による連続利下げやインフレ高進を受けた実質金利のマイナス幅拡大(9会合連続利下げで計1575bpの利下げ幅)、C経済的な結び付きの強いユーロ圏経済の先行き不安、D中東を巡る地政学的リスク、E米国・ロシア・NATO同盟国との関係悪化懸念、F米中対立激化を受けたリスク回避の再燃リスクなど、トルコリラ売りを想起させる不安材料は山積みの状態です。
以上の通り、トルコリラ円相場は、テクニカル的に持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。5/7以降のショートカバーを受けて、極度に積み上がっていたトルコリラのショートポジションは幾分軽くなったと見られることから、ここから先は一巡後の反落リスクにより警戒が必要と考えられます。新型コロナに端を発したトルコ経済への下押し圧力や、実質金利のマイナス幅拡大(トルコ中銀による連続利下げとインフレ高進が背景)を受けた資本流出圧力の高まり、外貨準備急減を受けた介入余力への不信感が重石になると見られ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(TRYJPY):16.00ー16.50
トルコリラ円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.20
南アランド週報:『米利下げ観測後退と中東情勢緊迫化の二重苦で約3週間ぶり安値圏へ下落』(4/20朝)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.12円で寄り付いた後、早々に週間高値8.18円まで上昇しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.20
トルコリラ週報:『来週はトルコ中銀会合に注目。連続利上げなら一段高の可能性も』(4/20朝)
トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/13に記録した史上最安値4.52円をボトムに切り返すと、ここ数週間は4.70円台を中心とした底堅い動きが続いています。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.20
来週の為替相場見通し:『日米金利差に着目したドル買い・円売りが続く見通し』(4/20朝)
ドル円(USDJPY)は一時154.79(1990年6月以来、約34年ぶり高値圏)まで上昇するなど力強い動きが続いています。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.06.08
トルコリラ円見通し 円安とリラ高一服だが16円台序盤で確り(20/6/8)
6月5日は深夜にかけてはドル円での円安が継続したもののドル高リラ安気配で進んだことが上値を抑えたため16.10円台での小動きにとどまった。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.06.05
トルコリラ円見通し 上昇一服で16円台序盤の持ち合い(20/6/5)
6月4日朝安値16.02円、4日夜安値16.03円等で底固く、16.10円台を中心として一段高状態を維持した持ち合いとなっている。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。