ランド円レポート月曜版
今週はランド円となります。
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、いったん目先の高値を見た後の下押し調整が入りやすいと考え「大台6.00レベルをサポートに、先週高値6.23レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.09レベル、高値が6.54レベルと、他のクロス円同様に大きく買われる一週間となりました。
先週のランドは、上述の通りでほぼ週初安値の週末高値となりましたが、45銭の上昇は週初のランド円の水準から考えると7.4%の上昇となり他のクロス円と比べてもかなりの上昇幅となりました。また6.54というのは3月16日以来の水準となり、その間ムーディーズの格付け引き下げ、米中摩擦激化懸念、コロナショックによる景気低迷、と悪材料ばかりだったことを考えると5月中旬以降の上昇でようやくランド円も底を打ったのかなという流れになってきました。
短期的には先週の南アフリカでは1日から外出制限の緩和、経済活動の本格的な再開が始まりました。このこと自体は南アフリカ経済が上向く材料として好感されましたし、世界的な株高によるリスクオンから高金利通貨買い・低金利通貨売りという典型的な値動きも見られました。それまで悪材料ばかりだったため、反発も大きくなったということになりそうですが、安心ばかりもしていられません。
南アフリカをはじめ南半球ではこれから冬になるため、新型コロナウイルスにも第二波が来るリスクが高いと言われています。実際に先週から外出制限の緩和等が行われた影響もありますが、南アフリカでは感染者数が再び増加に転じラマポーザ大統領も大都市ケープダウンがある州での感染拡大が過去最大となったことに懸念を表明しました。政府も感染者のピークを8〜9月と見込んでいるため、再度規制が実施される可能性もあります。これは夏から冬に向けての状況は北半球の諸国も気にしているところでしょうから、当面の南アフリカにおける感染者数の推移には注意が必要でしょう。
今週は南アフリカ関連の経済指標は鉱工業生産、製造業生産程度ですが、現状ではどの国の指標も悪くて当たり前という流れであまり影響は無いと考えられます。それよりは新型コロナウイルスの同国新規感染者数が完全に右肩上がりかつ上昇率も増えてきていることのほうが気になると言わざるを得ません。また米国株式市場は異様なまでの強さですが、株式市場に調整が入ると新興国通貨にも調整が入りやすくなるため、今週は米国株の動きも注視です。
次にテクニカルですが、今週はまずランド円の日足チャートから見ていきましょう。
チャートを見れば明らかですが、4月から5月中旬まででラウンドボトム状のリバーサルパターンを形成し、5月下旬に上抜け6月に入ってからの一段高で現状はピンクの平行線で示した上昇チャンネルの中での推移と考えられそうです。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
上昇チャンネルを見るとかなり上限に近い位置で推移していることがわかります。このまま上昇していった場合でも週後半には6.70水準で上値を抑えられることとなるでしょう。かなり単純な見方ではありますが、テクニカルな観点から上昇チャンネルの上下を今週のレンジの参考にして6.30レベルをサポートに、6.70レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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