米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(27日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容になっています。
地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2020年5月18日以前までとなっています。
(全般的は経済活動)
経済活動はコロナウィルスのパンデミックによる混乱を反映し、全ての地区でそれも急激に下落した。消費支出は、ほとんどの調査期間中に幅広く行われた小売業の強制的閉鎖により一段と落ち込んだ。その落ち込みはとりわけレジャーや接客業で厳しかった。というのも旅行・観光ビジネスはほとんど活動がなかった。自動車販売は、最近幾つかの地区で改善は見られるものの、1年前よりもかなり下がった。
大半の地区は製造業で急激な落ち込みを報告した。そして生産は自動車・航空宇宙関連・エネルギー関連工場で著しく弱い。居住用住宅販売は多くの地区で、新しい物件リストがなく、ショールームへの制限もあり、落ち込んだ。建設活動もまた多くの地区で新規計画が実現しなかったことで下落した。商業用不動産関係は多くの小売用テナントが賃貸家賃の支払い遅れや未払いに言及している。銀行はPPPローンの強い需要を報告している。(注:PPPはPaycheck Protection Programの略で、コロナウィルス対策で出された政策。雇用維持の目的に沿って一定の条件を満たせば、2ヶ月半の運転資金の返済が免除されるローン)
農業の状況は一段と悪化した。幾つかの地区が、食肉加工工場の閉鎖やソーシャルディスタンス政策による生産減少を報告している。エネルギー活動は油井閉鎖を発表した企業により急落した。掘削活動の水準は歴史的に低くなっている。多くの先行き見通しではビジネス再開で回復すると期待しているものの、その見通しは極めて不確実性高く、多くの見通しでは、回復の潜在的ペースに関しては悲観的である。
(雇用と賃金)
雇用は引き続き全ての地区で、急激な損失を伴い減少した。これはソーシャルディスタンスや事業閉鎖が多くの企業の雇用に影響を与えた。PPPローンにより多くの企業がレイオフの制限や減少することができた。それでも雇用は小売・レジャー・接客業で急激に下がり続けている。従業員が仕事に復帰する際の課題についても言及されており、その中には労働者の健康問題、限定的な育児支援、あまりに寛大な失業保険といった問題が含まれる。全般的に、賃金への圧力は幾つかの企業で賃金カットをする一方で、重要スタッフに対する賃上げや失業保険に対抗した賃上げもあり混在している。ほとんどの地区で高い需要や重要な部門での賃上げがある一方、その他の部門では賃金は横這いか下がっていると指摘している。
(価格)
物価圧力は多様であるが、全体的には堅調ないし緩やかに下がっている。弱い需要が小売物価を下げている。幾つかの確認先では衣料、ホテル、航空運賃の値下げを指摘している。幾つかの地区では低い商品価格…原油・鉄鋼・幾つかの農産品…を報告している。供給チェーンは混乱し、肉やフルーツを含めた幾つかの食料品で強い需要が物価を上げている。ある地区では安全の手引きやコンプライアンス上のソーシャルディスタンスの追加コストに直面していると報告している。一方で、別の地区では個人の保護用具のコストが、強い需要により上昇していると注記している。(各地区のハイライトは略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
ご参考までアトランタ連銀GDPナウは5月19日までで、第2四半期GDPが▼41.9%(季調済年率)になっています。次回更新は28日ですので、明朝には改定値が解ると思います。
下図はドル円の月足チャートです。明日29日に5月足が完成します。2016年央からの流れはドル安トレンドを形成しており、A(=111円95銭)とB(=100円70銭)内で推移しています。2・3月コロナ時の乱高下だったヒゲを除いた3角保合いのCとDは完全に下抜けており、丁度5月に109円60銭で交差しました。このまま5月29日の月末を終えれば、流れとしては3月にコロナで大きく下抜けてはいますが、その3月を除けば3回目のラインE(=104円70銭絡み)トライになります。更に抜ければBまでの動きに繋がり易くなります。
上値はもしCを越えて行けばAまでのトライ、そこも越えれば2015年高値からの抵抗線F(=116円40銭)を目指す流れになります。
(2020年5月28日7:00、1ドル=107円69銭)
ドル円月足
オーダー/ポジション状況
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