ドルは上値トライ失敗か否か、動静を注視
〇東京時間のドル円は107円台後半を行って来い
〇ワクチン開発をめぐる好悪材料で株式市場中心に一喜一憂、為替も合わせて振れる展開に
〇広範囲にわたる米中対立も要注意
〇ドル円は上値を抑えられたのかそれとも再度高値を試すかを要注視
〇欧米時間のドル円予想レンジは107.25-108.25
注:ポイント要約は編集部
<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル買いが先行したものの続かず、結局寄り付き近くまで押し戻されている。
ドル/円は、寄り付いた107.60-65円を日中安値にドルが小幅に強含み。108円に迫る局面も観測されたが勢いは続かなかった。Vの字型の下降をたどると、寄り付きに近い107.70円前後まで小緩み、その後は揉み合いに。16時現在では107.75-80円で推移、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、前日のロンドン時間早朝に荒っぽい変動をたどったトルコリラが、本日東京時間もやや荒っぽい。対円では一時15.90円台まで上昇、前日高値を意識するレベルまで到達していた。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナの治療薬をめぐる動き」と「日銀の政策対応への期待」について。
前者は、前日に米バイオ医薬ベンチャーであるモデルナの新型コロナワクチンの臨床試験結果を受け、期待感が急速に高まっていた市場だったが、共同通信が「治療薬候補アビガンをめぐり、臨床研究で明確な有効性が示されていないことが分かった」と報じ、一転して失望感が広がった。こうした幾つかの治療薬候補をめぐる一喜一憂はまだしばらく続きそうで、株価などの波乱要因となる可能性もある。
対して後者は、日銀が「22日9時から臨時金融政策決定会合を開催する」と発表したことが話題に。日銀の説明によると、「金融機関への新たな資金供給手段に関する検討結果の報告を受け、必要な金融調節事項の検討を行うため」とされ、特段目新しい要因は見当たらなかったものの、市場では材料視されると、円売り要因として寄与していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
前述したように、新型コロナのワクチン開発をめぐる対照的な好悪2つのニュースが報じられ、株価を中心に為替市場もレンジこそ狭いが上下に振れる展開をたどっている。また、米中の対立構造が広範囲にわたっていることを気にする向きも多く、潜在的なドル高阻害要因になっていることは間違いない。昨日クドロー米NEC委員長は「トランプ氏、中国との貿易合意を破棄すると言ってない」と火消しに動いていたものの、こちらも引き続き動静には要注意だ。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として山積みの状況。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」関連で、とくにワクチン開発をめぐる動きと米中対立に絡むニュースには注意しておきたい。なお、本日は米英加の中銀総裁ら、当局者による議会証言や講演などが相次ぐ見込みで、そちらを警戒する向きも少なくない。
テクニカルに見た場合、ドルは昨日欧米時間に108.09円まで上昇し、4月16日高値108.08円をわずかに更新したものの、「しっかり」とは越えられず。むしろ、そののち107.60円台まで軟落する展開をたどっている。ドルは上値の重さを確認する格好で、上抜けは失敗に終わったのか、それとも再び上値トライをたどるのか、ここ2-3日の動きをしっかりと見極めたいところだ。ちなみに、昨日高値108.09円を上回れば、次のターゲットは移動平均の200日線が位置する108.25-30円となる。
本日は、MBA住宅ローン申請指数などの米経済指標が発表される予定となっているものの、正直関心は高くなく、基本的にはノーインパクトか。ただ、4月末実施のFOMC議事要旨公表には一応要注意。
また、米財務省による20年債の入札や、ベイリー英中銀総裁らによる財務委員会での証言、ブラード・セントルイス連銀総裁のオンライン討論参加なども、場合によって波乱要因となりかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.25-108.25円。まずは昨日高値である108.09円をめぐる攻防に注目。上抜ければ、200日線が位置する108.25-30円や、108.85円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の107.60円レベルが最初の下値メド。割り込んだ場合には107.25円、107.05円に弱いサポートが位置しているなど底堅そうである。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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