反発に転じるも楽観視できず。ファンダメンタルズの脆弱さが重石に
今週のレビュー(5/4−5/8)
今週の南アフリカランド円相場は、週初5.69円で寄り付いた後、@南ア財務長官による「失業率は40%に達するだろう」との発言を材料に、週明け早々に安値5.62円まで下落しました。しかし、直近安値(史上最安値)5.60円をバックに下げ渋ると、A原油先物価格の反発を受けたリスク回避ムードの後退や、B世界各国による外出規制の段階的解除(南アフリカでも5/6から段階的に学校が再開)を受けた投資家心理の改善期待、C米中協議の再開期待(中国の劉鶴副首相と米国のライトハイザー通商代表部代表およびムニューシン米財務長官が電話協議を実施)、D本邦大型連休を終えたことに伴うフラッシュクラッシュ発生リスクの後退が支援材料となり、結局5.81円まで持ち直しての越週となっております。
来週の見通し(5/11−5/15)
南アフリカランド円相場は、2/21に記録した高値7.48円をトップに反落に転じると、4/24には史上最安値となる5.60円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象づけるチャート形状となっております(週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、引き続き史上最安値更新が射程圏内)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(度重なる計画停電→南アフリカ経済減速)、B米中対立再燃リスク(米中対立リスクが再燃すれば、経済的な結びつきの強い南アフリカ経済に悪影響が及ぶ恐れ。米中電話協議の実施を受けて楽観ムードが広がっているが、トランプ米大統領は第一段階合意を打ち切るかの質問に対して「非常に悩んでいる」と返答しており予断を許さない)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における感染者数の増加リスク(外出規制緩和後に再度感染者数が増加に転じる2次感染リスク)、E南アフリカ国債利回りの上昇に伴う財政赤字拡大懸念(※但し今週は南アフリカ国債入札が過去最大の応札)など、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「下落リスク」が警戒されます。新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した南アフリカ経済の下押し圧力や、WGBIからの除外を受けた資本流入経路の縮小、米中対立懸念の高まりを受けた南アフリカ経済への波及リスクが重石になると見られ、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(来週は南アフリカの製造業生産高、雇用統計、小売売上高など一連の経済指標の結果を睨みながらも、一巡後の反落リスクを警戒)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):5.60ー6.10
南アフリカランド円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.27
南アランド円週報:『円独歩安の影響を受けて約1年10カ月ぶり高値圏へ急上昇』(4/27朝)
南アランドの対円相場は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約1年10カ月ぶり高値となる8.38円まで急伸しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.27
トルコリラ円週報:『約2カ月ぶり高値圏へ急伸。ドル円とのシンクロ相場が続く見通し』(4/27朝)
トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/13に記録した史上最安値4.52円をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約2カ月ぶり高値となる4.86円まで急伸しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.27
来週の為替相場見通し:『ドル円は157円台後半へと急上昇。来週は米FOMCがメインイベント』(4/27朝)
ドル円(USDJPY)は昨年12/28に記録した安値140.25をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約34年ぶり高値となる157.79(1990年5月以来の高値圏)まで急伸しました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2020.05.11
ランド円レポート月曜版(2020年5月11日)
安値が5.63レベル、高値が5.83レベルと、思いのほか底堅い動きを示し、安値更新とはなりませんでした。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2020.05.05
ランド円ショートコメント(20/5/4)
先週のランド円は、週初を安値にじり高の展開を辿り木曜に高値をつけたのですが、その後急速に値を下げ週末には一週間かけての行って来いの値動きを見ることとなりました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。