<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場は、レンジ取引。30ポイント程度の変動と、「コロナ騒動」に揺れたここ1ヵ月ほどで一番の小動きにとどまっている。
ドル/円は108.80-85円で寄り付いたものの、終日を通して積極的な動意に欠けた。108.75-109.05円といった30ポイント程度のレンジ取引で、明確な方向性はうかがえない。ちなみに、NYダウ先物は100ドルを超える上昇をたどったものの、日経平均株価は終値ベースで前日比7円安とほぼ横這いに。16時時点では108.95-00円で推移、欧米時間を迎えていた。
そうしたなか、値動きはやはり小さいものの、ポンドが対円などで戻り歩調。英首相報道官が「ジョンソン英首相の容体には安定している」などと述べたことが好感されていたという。
一方、材料的に注視されていたものは、「日本の緊急事態宣言」と「原油安打開に向けた動き」について。
前者は、7日に安倍首相が「緊急事態宣言」を発令した日本だったが、引き続き大きな混乱は見られず。ただロイターは、日銀が今月27-28に発表見込みの「展望リポートで成長率見通しをマイナスに修正する方向で調整」と報道。また、黒田日銀総裁は感染拡大の収束時期を不透明としたうえで「経済の先行き不確実」とコメントするなど、実体経済への悪影響顕在化懸念がそこここで取り沙汰されていた。
対して後者は、タス通信が「ロシアは日量160万バレルの減産を行う用意があると表明」と報じており、これは原油相場の支援要因。ただ、9日に開催されるOPECプラス緊急会合に対する懸念は依然として根強く、状況を見極めたいとの向きも少なくなかったようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
新型コロナウイルスの感染拡大については、強弱の見方が混在。日本に関する報道を見ると、まだまだ予断許さずだが、イタリアやスペインなどのほか米国においても一部からは楽観的な見解が聞かれ始めている。個人的には、少し時期尚早な行動というイメージを抱いており、先日のスペインのような「揺り戻し」が気掛かり。とは言え、好感してNYダウなどがさらに続伸するようだと、為替市場も連れ高推移となる可能性を否定出来ない。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題か。ただ、本日はそれ以外でも注視すべき材料が山積みで、一例を挙げると「パウエルFRB議長のウェブ講演」や、先でも取り上げた「OPECプラス緊急会合」、「ユーロ圏財務相会合」など重要なイベントが相次ぐ。そのほか、明日のイースターを前にした需給要因などを勘案すると、本日は久しぶりの大相場、波乱含みの展開も。
テクニカルに見た場合、今週は週明けの数時間を除けば108.50-109.40円といったレンジ取引で、期間を狭めれば形成レンジもさらに狭くなる。
ともかく、基本的には前述した109円挟み、1円未満のレンジ取引が続くものと予想するが、先で指摘したように本日は材料目白押しであることが気掛かり。方向性は別にして、レンジ放れへの警戒感を抱く声も少なくなかった。
本日この後は、4月のミシガン大消費者信頼感指数などの米経済指標もさることながら、過去2週にわたりネガティブサプライズを記録している週間ベースの新規失業保険申請件数がもっとも注目されているとの見方も。ちなみに、後者は前週(664.8万件)よりも、改善傾向を示す500-550万件が予想の大勢となっているが、果たして3週連続のネガティブサプライズとなるのだろうか。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.40-109.60円。ドル高・円安方向は、時間足など短期ベースでしっかりとは越えられない109.10円レベルが目先の抵抗。上抜ければ直近高値の109.38円、109.85-90円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨室のドル安値108円半ばの攻防にまずは注視。下回ってくると、移動平均の200日線が位置する108.30円前後などが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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