米連邦公開市場委員会(FOMC)要旨(4月8日公表)
(2020年3月15日臨時開催分:会合はビデオ会議)
3月中旬開催のFOMC議事要旨が昨日公表されました。臨時に開催され、大幅利下げの実施となりました。
(1)議事要旨
スタッフによる経済見通し
3月のFOMC会合に向けスタッフが準備してくれた経済見通しは1月の会合時に予想したものから著しく下方修正された。これは、最近の金融市場の動向に加え、国内外でのコロナウィルスの拡散ニュースやそれに付随する海外経済の大幅な下方見通しに対応したものである。今年上半期の実質GDPは下がり、失業率は上昇する見通しである。下方リスクがある上、どの位経済が弱くなり、回復までどの位の期間がかかるのか不確実性が高まり、スタッフは可能性の幅を広げた2つの起こり得そうな経済シナリオを用意した。重要なことは、経済の将来の成果が突発発生したウィルスの進展具合や、それを食い止めるために取られた手段による。
1つのシナリオでは、経済活動は下半期に回復を始める。それに反してより不利なシナリオでは、経済は今年リセッションに突入することである。これは回復が非常に遅くなり、来年まで進展しない状況を伴う。両方のシナリオでも、インフレは弱くなる見通しで、資源活用の低下や消費エネルギー価格の大きな下落を反映している。
参加者の現状や経済見通しに対する見方
全ての参加者は直近の米国経済がここ数週間で劇的に悪化し、かつ不確実になったと見通した。多くの参加者は急速に展開している状況に呼応するように、自分たちの見通し下げを繰り返しのべている。全員が米国経済活動は次期四半期でおそらく下降し、経済見通しの下方リスクが著しく増加すると見ている。
(一部略)
委員会はその法的義務により、最大雇用と物価安定を求める。コロナウィルスの影響は直近の経済活動に重石となり、先行き見通しにリスクをもたらしている。これらの状況を鑑み、委員会はFFレートの目標値レンジを0〜0.25%に下げた。経済が最近の出来事を風化させ、最大雇用と物価安定目標達成が軌道にのると確信するまで、委員会はこの目標レンジを維持すると予想した。この決定により、経済、強い労働市場の状況、そしてインフレは委員会目標の2%まで回帰するのを下支えするだろう。
委員会は、経済見通しに関して得た情報の意味を精査し続けることになる。これには関連する公衆衛生、世界の動向、インフレ圧力の抑制などの情報が含まれている。そして、経済を下支えするに適切な手段や行動を使うことになる。
(一部略)
(そして市場の流動性を確保すべく)、委員会は今後数ヶ月において、国債を少なくとも5000億ドル、不動産担保証券を2000億ドルまでの保有を増額する。委員会はまた保有債券の元本再投資を行う。委員会は市場を注意深く監視し、適切に計画を調整する準備を行っていく。
この行動に対する賛成者:ジェローム・パウエル、ジョン・ウィリアムズ、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、パトリック・ハーカー、ロバート・カプラン、ニール・カシュカリ、ランダル・クウォールズ。
反対者:ロレッタ・メスター、今回の会合ではFFレート0.5〜0.75%への下げを主張した。
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
(2)CME Fedwatch
今回の大幅利下げにより、4月8日現在、CME FEDwatchは現状取り得る最大のFOMC日程である2021年3月17日までFFレートを0〜0.25%に据え置くことになっています。
上図はドル円の週足です。A(=111円30銭)とB(=110円70銭)の3角保合い下抜け後にAから下したC(100円40銭)でドル安トレンドラインを形成しています。その後E(104円70銭)で2回目がサポートされ、ラインD(=109円70銭)が形成されました。先月にDを下抜き、更にEを3回目で割りました。しかしながら相場の乱高下にドルは再度ラインAまで戻し、現在はDとEの間で推移しています。
今週月曜日に109円40銭付近までドルが買われましたが、ラインDの手前で跳ね返され、現状ではトウバ線に近くなっている形ですので、もし明日金曜日に109円未満で終わると来週は上値が限定されそうです。もし109円台で引け陽線になれば、D、B、Aの順に上値がどこまであるのか試す流れが先行しそうです。逆に109円未満での終値の場合は下押しトライの可能性が高まります。108円00銭〜10、107円60銭〜70銭にあるサポートを試しながらの底値模索になります。
オーダー/ポジション状況
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