トルコリラ週報:『感染者数急増を背景に、トルコ危機以来約1年7ヶ月ぶり安値圏へ』(4/4朝)

トルコリラ円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。

トルコリラ週報:『感染者数急増を背景に、トルコ危機以来約1年7ヶ月ぶり安値圏へ』(4/4朝)

感染者数急増を背景に、トルコ危機以来約1年7ヶ月ぶり安値圏へ

今週のレビュー(3/30−4/3)

今週のトルコリラ円相場は、週初16.71円で寄り付いた後、早々に週間高値16.72円まで上昇しました。しかし、@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード(新興国通貨売り、新興国株売り、新興国債券売りのトリプル安)や、A上記@を受けた投資家心理の悪化(リスクアセットの買い戻し→新興国通貨買い)、Bトルコ・3月製造業PMI(結果48.1、予想52.4)の冴えない結果、Cトルコ国内における新型コロナウィルスの感染者数急増(累計で20000人を突破)が重石となると、週末にかけて、約1年7ヶ月ぶり安値となる15.93円(2018年8月に発生したトルコショック以来)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局16.11円での越週となっております。

来週の見通し(4/6−4/10)

トルコリラの対円相場は、2/20に記録した高値18.44円をトップに反落に転じると、今週後半には、約1年7ヶ月ぶり安値となる15.93円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、200日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転や、弱気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的にみて「地合いの弱さ」を強く印象づけるチャート形状となっております。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ経済を巡る先行き不透明感や、A外貨準備急減を受けたリラ安防衛能力への不信感、Bトルコ中銀による連続利下げを受けた実質金利のマイナス幅拡大、C経済的な結び付きの強いドイツ経済の先行き不透明感、D中東(シリア北西部イドリブ県)で燻る地政学的リスク、Eロシアからの武器購入やリビア派兵を巡る米国及びNATO同盟国との関係悪化懸念、F新型コロナウィルスに端を発したグローバルなリスク回避ムード(トルコ国内での感染者数急増)など、不安材料は山積みです。

以上の通り、トルコリラ円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。新型コロナウィルスの感染拡大に端を発した投資家心理の悪化や、実質金利のマイナス幅拡大(トルコ中銀による連続利下げと、インフレ高止まりが背景)を受けたトルコへの投資妙味の減退(資本流出リスク)、同国における感染者数急増の流れは(株安・通貨安・債券安のトリプル安)続くと見られ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(TRYJPY):15.60ー16.40

感染者数急増を背景に、トルコ危機以来約1年7ヶ月ぶり安値圏へ

トルコリラ円日足

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