シカゴポジション(CME)221
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。
ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴの豪ドルポジションは4週連続でショートを積み上げてきました。先週締日の10日まではドル全面安に近い形でしたが、それでもオセアニア通貨は弱いままです。但し、ポジション内容はリスク回避になっています。ロングは▼15,100枚減、ショートは▼13,000枚減で、ネットで2,100枚のショート増になりました。ショートの手仕舞いが少ないので豪ドル先安観が強いままです。また、総枚数では▼28,100枚減で、過去5年間で最大枚数だった前週の締日からはポジション調整しました。ポジション調整はほぼ予想通りでしたが、内容は想定外でした。これでシカゴはまだまだ豪ドルの下値トライを狙っているようです。チャートを見ると、先週10日の締日段階で既にオレンジ色の豪ドル安トレンドラインを下抜け、新たに紫色のサポートライン(0.64米ドル)を引きましたが、現在はこのスポットも既に下抜いています。当面はシカゴ終値ベースでここが抵抗線になります。
実際の相場は0.6340〜0.6570(先週0.6360〜0.6590)米ドルの豪ドル安トレンドラインを更に下抜きました。当面は2008年10月に底値だった0.6006米ドルのダブルボトム狙いになっています。朝方のシドニー時間帯に0.6096米ドルまでトライしているので、ほぼダブルボトムに近いと見ても良いかと思いますが、今週末まで待って確認します。もし2回目トライでここがサポートされれば、一度立ち上がる可能性が高くなります。万一、ここを切ってしまうと1998年8月の0.55、更に2001年4月底値の0.4830米ドルまでの下値余地が広がります。既に米豪の金利差は逆転(豪州>米国)していますが、この先の豪州中銀の利下げを見込んでいると思います。仮に利下げを実施しても2国間の金利差は無くなるだけですので、金利面では両国共に優位性がありません。従い、中国でのコロナウィルスの影響が収束してくる事態になると豪ドルのショートカバーが入り易くなりそうです。仮に豪ドルのショートカバーが入っても、少なくともこれまでのトレンドラインである0.6340米ドルを上回る必要があります。(1豪ドル=0.6173ドル、3月16日14:00)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
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