A$シカゴポジション
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2020年3月3日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。
ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴの豪ドルポジションは3週連続でショートを積み上げてきました。ドル全面安に近い中で、コロナウィルスによる中国関連通貨として豪ドル売りになっています。先週は8,100枚のネットショートを積み上げ、残高は52,000枚となっています。内訳はロング8,200枚増、ショート16,300枚増で、総枚数も24,400枚増加し18万1,600枚となり、過去5年間では最大となっています。ネットポジションの残高では2018年10月に73,000枚のショートがありましたが、その時でも12万枚の総枚数でしたので、相場観が錯綜した結果になっています。もし豪ドルのショートカバーが入ってもロングの手仕舞いも予想され急反発にはなり難い可能性があります。逆にいつショートカバーが入ってもおかしくない枚数にはなっています。また、ロングの損切を先に誘い、その後のショートカバーの可能性もあり、この場合には大きく値を下げてからの急反発になりそうです。チャートを見ると、明日のNY終値が0.6520米ドル付近であれば、シカゴのポジションベースではサポート維持になります。
実際の相場は今日の東京市場10時に豪ドルは0.6315米ドル付近まで急落し、僅か10分程度で0.6470米ドル付近まで買い戻しているので、この150ピップス強が長い下ヒゲになっています。明日のシカゴ締日前に上述の「先に下押し+買い戻しのポジション調整」をした感があります。
相場は新たに0.6360〜0.6590米ドルの豪ドル安トレンドラインを形成しています。今日は再度レンジ下限を切って、現在は長い下ヒゲになっています。もし今日の終値が底値0.6315米ドル近辺になれば、このトレンドラインを切ることになります。今日0.6360米ドルを下回って終わらない限り、レンジ下限はショートカバーする水準になりそうです。むしろ時間経過でトレンドライン下限が0.6315に交差する可能性が高いとみています。シカゴポジションも大きな総枚数やショートがあるので、今週は突っ込んでも戻される可能性が高いとみています。上値は0.6590、0.6630、0.6660米ドルに抵抗線があり、最後を越えて終わらない限り豪ドルは弱いままです。
(1豪ドル=0.6541ドル、3月9日15:00)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
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