豪ドル/円、短・中期ともに弱気。一段の下落リスクに要注意。
5日に発表された豪1月の貿易収支は、前月から黒字幅が若干縮小して52億1千万豪ドルの黒字となりました。内訳を見ると輸出、輸入ともに3%減となっており、国内外の需要の陰りを窺わせます。また、本日(6日)発表された1月の小売売上高も▼0.3%とさえない結果となったこと、前日に中銀副総裁が今回の新型肺炎ウィルスの影響で1-3月期のGDPが0.5%程度押し下げられるとの見通しを示したこともあり、豪ドルは対ドル、対円で反落しています。世界の中央銀行が協調姿勢を強めていますが、拡散する新型肺炎ウィルスの封じ込めが成功するかどうかは不透明で、有効な新薬の開発や鎮静化がはっきりしない限り、寸断状態にあるサプライチェーンの早期回復は難しく、世界経済の景気減速懸念は高まりつつあります。株式、為替市場も混乱の度を深めており、暫くは豪ドル相場も反発余地が限られる展開が予想されます。
チャートを見ると、日足は2/28に付けた69.38を直近安値として、上昇に転じましたが、上値を追いきれずに反落しており、短期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに変化が認められません。72円台を回復して引ければ下値リスクが若干後退しますが、中期トレンドが弱く急反発にも繋がり難いと見られます。69円台には長期的な下値抵抗がありますが、69円割れで終えた場合は66〜68円ゾーンでの新たな下げトレンドに入る可能性が生じます。日足の上値抵抗は70.20-30、70.80-90、71.20-30に、下値抵抗は69.50-60、68.70-80にあります。21日移動平均線は72.81に、120日、200日線は74.06で収束しており、全てを下抜けて短期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにあります。
一方直近の週足は、大陰線の出現となり、この足が72円割れを見て新たな下落トレンド入りの可能性が生じています。またこの陰線が、74円トライに失敗しており、中・長期的な豪ドル下げトレンドに入り込んだ可能性が高くなっています。69円台に強い抵抗がありますが、新たな下げトレンドに入り込んで日が浅いことから、一段の下落リスクに警戒が必要です。週足の終値ベースで73円台を回復して越週するまでは下値リスクがより高い状態です。今週の週足の上値抵抗は72.00-10、72.50-60に、下値抵抗は69.50-60、68.00-10にあります。31週、62週移動平均線は73.62と75.45に位置しており、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに変わりありません。
豪ドル/円【週足】:3/5現在31週移動平均線は73.62に、62週線は75.45にあり、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに戻している。)
オーダー/ポジション状況
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