新型肺炎に絡む中国リスクとムーディーズの格下げリスクがランドの重石
今週のレビュー(1/27−1/31)
今週の南アフリカランド円相場は、週初7.57円で寄り付いた後、@新型コロナウィルスの感染拡大に端を発したグローバルなリスク回避ムード(株安・円高)や、A上記@を受けた中国による春節(旧正月期間)延期(※中国経済の減速懸念→対中依存度の高い南アフリカ経済への下押しを連想)、B国営電力会社エスコムによる度重なる計画停電(エスコム社は今週、頻繁な計画停電に備えるよう警告)が重石となり、週末にかけて、11/4以来、約3ヶ月ぶり安値7.20円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、7.22円近辺で推移しております。
来週の見通し(2/3−2/7)
南アフリカランド円相場は、12/27に記録した高値7.83円(約8ヶ月ぶり高値)をトップに反落に転じると、月末(1/31)にかけて、約3ヶ月ぶり安値7.20円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や、サポートライン(8/26安値と10/8安値を結んだサポートライン)、一目均衡表雲上限および下限、200日移動平均線を下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転、強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークが発生するなど、テクニカル的に見て、「地合いの弱さ」を強く意識させるチャート形状となっております。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(IMFは南アフリカ経済見通しを大幅に下方修正。また新型コロナウイルスに端を発した中国経済の減速懸念も対中依存度の高い南アフリカに下押し圧力を加える恐れあり)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(度重なる計画停電→南アフリカ経済減速への連想)、B米中貿易摩擦の再燃リスク(第2段階合意の後ずれリスク)、Cムーディーズによる格下げリスク(2月に予定されている南ア・予算発表で財政健全化見通しが示されなければ、ムーディーズは3/27に格下げに踏み切る可能性あり。格下げとなればWGBIからの除外を通じて、南アフリカ債券市場から大規模な資金流出が引き起こされる可能性も)、D中東を巡る地政学的リスクなど、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。ムーディーズによる格下げリスクや、中国経済の減速懸念、グローバルなリスク回避ムードが燻る中で、南アランドの上値余地は乏しく、来週は、春節明けの中国の金融市場の動向や、南ア・1月SACCI景況感指数の結果、新型コロナウィルスに絡む続報を睨みながらも、南アフリカランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(目先は11/1安値7.12円を試す展開を想定)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.05ー7.45
南アフリカランド円日足
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2020.02.03
ランド円ショートコメント(2020年2月3日)
南アにとって最大貿易国である中国での感染者拡大が止まらないと、下げ止まることも難しいという状況です。
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