ドル円、米中報道で上下するも方向感見出せず。市場は早くもFOMC待ち
海外時間の為替概況
10日(火)の外国為替市場でドル円は底堅い動き。欧州勢参入後に一時108.52まで下げ幅を広げるも、前日安値108.43を前に下げ渋ると、@米WSJ社よる「米中が追加関税の延期を協議している」との報道や、A米下院が来週にも米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の採決に踏み切るとの一部報道が支援材料となり、米国時間午後にかけて、108.76まで上値を伸ばしました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では108.72近辺で推移しております。尚、昨日は上記@の楽観的な見方が報じられる一方で、マルバニー首席補佐官代行からは「12/15の対中追加関税発動の行方は協議次第」との悲観的な発言も出てきております(ドル円の反応は一時的な下落に留まった)。
一方、ユーロドル相場は堅調推移。欧州時間に発表された@ドイツ・12月ZEW景況感調査(結果10.7、予想0.0)が市場予想を大幅に上回ったこと、A米中合意期待の高まりを背景にリスク選好のユーロ円買いが強まったこと等が支援材料となり、米国時間午後にかけて1.1098まで上値を伸ばしました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では1.1096近辺で推移しております。ドル円とユーロドルが共に上昇したことで、ユーロ円は120.12から120.66まで大きく値を上げております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は重要イベント(FOMCやECB、英国総選挙や対中報復関税第4段発動期限)を前に方向感を見出しづらい時間帯が続いております。テクニカル的にも言及すべきポイントは特にありません。上方に控える一目均衡表転換線や基準線がレジスタンスとして機能する一方、下方に控える一目均衡表雲上限がサポートとして下支えするレンジ相場が続いております。もっとも、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米国ファンダメンタルズの不冴な結果、C米中合意の後ずれ観測、D世界的な貿易戦争勃発リスク、
E英総選挙を巡る先行き不安など、ドル安・円高に繋がり易い材料が多く残存しており、リスクは依然「下向き」と判断できます。米中を巡るヘッドラインや、明日日本時間早朝に予定されている米FOMC(連邦公開市場委員会)を睨みながらも、ドル円の下落リスクをメインシナリオとして予想いたします。尚、本日のFOMCでは政策金利が据え置かれる見通し。注目は、ドットプロット(スタッフ予測)や、パウエルFRB議長・記者会見で来年の追加利下げが示唆されるか否かとなっております。追加利下げの可能性を示唆する発言が見られれば、米長期金利低下→ドル売りを通じて、ドル円が大きく押し下げられるリスクもあり注意が必要です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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