米11月消費者物価指数予想
明日、米国の消費者物価指数(CPI)が公表されます。その5時間半後にFOMCの政策金利が発表されます。従いましてこの数値自体は予想より大きく振れない限り、相場に与える影響が少ないと思いますが、FRB法定任務の1つは物価安定であり、その物価指数(年率)がFRB目標値である2%に入りかけています。NY連銀総裁やFRB副議長も「インフレは2%に近付いている」と発言しており、これが恒常的に目標値内に収まると市場の利下げ見通しも大きく減ってくると思われます。
今回のFOMC前に発表される数値も金融政策議論の参考値になりますので、その傾向を見ておきます。
2019年12月10日14時現在予想
下図(1)は前月比ベース(全体)の推移を示しています。オレンジ色の6ヶ月移動平均線が若干ながらも上向きになり始めています。
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑は0.2%)
また、前年比ベースは下図(2)で米国とユーロ圏のCPIを比較しています。緑より右側は今回の米国予想値で、予想通りならばFRB目標値の2%にかかってきます。
ユーロ圏と比べて物価が堅調に推移していることがわかります。まだインフレ懸念を心配するほどの数値ではありませんが、逆に言えばデフレも心配する必要がない状況になってきていると言えます。翌日のECB金融政策ではラガルト新総裁がこのHICP数値にどの様な判断を下すのかも注目されます。
(2)米(青)とユーロ(オレンジ)のCPI前年比ベースの推移
(赤はゼロ、黒はFRBのインフレ目標値、緑より右は米国予想値)
ユーロドル相場は今年8月高値(1.1250)からの抵抗線が1.1140まで下がってきています。その後相場は10月初に1.0879のユーロ底値を付け右肩上がりに上昇して、そのサポートが1.0995になっています。現在は1.0995〜1.1140レンジの3角保合いの収斂内にいます。
もし上限を越えた場合には、上記の切り上がりサポートを平行にずらしたラインが1.1250付近に引けるので、相場の流れは1.12越えトライに繋げられそうです。逆に下限を切ると再度1.0870〜80のダブルボトムを狙う動きになります。
FOMCとECBである程度の流れが出るか注目しています。
(12月10日16:00 1ユーロ=1.1068ドル、1ドル=108円61銭)
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