第3四半期GDPに注目。不冴えなら南アランド反落の恐れも
今週のレビュー(11/25−11/29)
今週の南アフリカランド円相場は、週初7.40円で寄り付いた後、翌11/26に週間安値7.33円まで下落しました。しかし、@米中合意期待を背景にリスク選好の動き(株高→新興国通貨高・円安)が強まると、A南ア・10−12月期BER企業信頼感指数(結果26、前回21)の良好な結果や、B南ア・10月生産者物価指数(結果+3.0%、予想+3.1%)の鈍化(インフレの落ち着き→実質金利上昇)が支援材料となり、週末にかけては、10/29以来、約1ヶ月ぶり高値となる7.49円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局7.47円近辺での越週となっております。
来週の見通し(12/2−12/6)
しかし、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不安(=11/5の南ア・消費者信頼感指数や、11/13の南ア・小売売上高が市場予想を大幅に下回ったことで、来週12/3に発表される南ア・第3四半期GDPへの警戒感が根強い)や、A国営電力会社エスコムの負債問題(=政府の財政悪化懸念→ムーディーズによる南ア国債の格下げリスク)、B米中を巡る先行き不安(=南アフリカ最大の貿易相手国「中国」の景気下振れリスク。香港人権法案が成立したことで米中リスクが再燃する恐れあり)、Cムーディーズによる次回3月の格下げリスク(=2020年2月に予定されている南ア予算発表で財政健全化見通しが示されなかった場合は、翌3月に格下げが行われる可能性大。格下げとなればWGBIから除外されることで、南アフリカ債券市場から大規模な資金流出が引き起こされるリスクあり)など、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的に「底堅さ」が見られるものの、ファンダメンタルズ的な「弱さ」が続伸を阻む展開が想定されます。ムーディーズによる格下げリスクや、エスコム問題、米中リスクを巡る二転三転リスク(香港人権法案成立を受けた中国側の報復措置)など、不安材料目白押しの中、南アフリカランドを積極的には買い辛い地合いが続くと考えられます。来週予定されている南ア・第3四半期GDP(12/3)や、南ア・11月SACCI景況感指数(12/4)、南ア・第3四半期経常収支(12/5)が余程良好な数字とならない限り、南アランドの上値余地は乏しく、心理的節目7.50円をバックに戻り売りが強まる展開を予想いたします。
南アランド円の予想レンジ ZARJPY 7.25ー7.55
南アフリカランド円日足
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今週は経済指標を含めて南ア関連の材料よりも米中間の通商協議の進展具合や香港人権法案に対してトランプ大統領がどのような対応を見せるかのほうが注目です。
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