トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「36.00レベルをサポートに、37.20レベルをレジスタンスとする流れ」を予想し、実際のレンジは安値が36.35レベル、高値が37.15レベルと比較手的狭い値幅での取引が続きましたが、ほぼ想定通りの推移だったかと思います。
今週ですが、先週同様にドル円の動きに左右されやすい地合いには変化がありません。材料としては、昨日首相に大統領寄りのユルドゥルム運輸海事通信相の就任が内定(大統領の指名後に決定)したこと。前首相が大統領の権限強化に否定的だったことから辞任に追い込まれたわけですが、新首相は大統領の20年来の側近と言われ、より大統領の権力が強まっていくこととなるのは間違いないでしょう。現状では、まだ為替相場には影響は出ていないものの今後トルコリラにとっては売り材料とされる懸念があります。
また、24日(火)にトルコの政策金利(現在7.50%)が発表されます。今回は現状維持がコンセンサスとなっていますが、先月就任したばかりのトルコ中銀総裁に対して、エルドアン大統領による金融緩和要求が再燃する可能性はあります。こちらも今後の売り材料となる懸念はありますが、政治的な背景同様もう少し先のテーマということになりそうです。
今回はトルコリラ自体の強弱を考えることからドル・ドルコリラの日足チャートをご覧ください。
トルコリラ円日足
今年1月の高値3.0614レベルから5月初めには2.7893レベルまで、トルコリラ買い(ドル売り)が進みましたが、前首相辞任のニュースとともに急速にトルコリラ売りが進行し、現状ではテクニカルな戻しの限界点と考えられる78.6%(61.8%の平方根)戻しにあたる3.0032とほぼ一致する3.0006レベルの高値を先週見ることとなりました。
テクニカルには、かなり速いペースでのトルコリラ売りということになりますが、先ほど書いた2つの材料(政治と金融)次第では、1月安値の3.0614レベルを試しに行く可能性が高いということになってくるでしょう
直近のところでは、ドル円相場がGW中の105円台半ばから110円台半ばまで5円以上もの円安となり、クロスのトルコリラ円としてはモデレートな動きとなっていましたが、G7を受けドル円の円安進行が期待できない(週報をご覧ください)という認識が広がってくると、トルコリラ円ではトルコリラ売りと円買いのそれぞれが水準を押し下げて来る可能性を常に意識する必要があります。
今週のトルコリラ円は、売り警戒感を持ちつつも先週安値36.35レベルをサポートに、先週高値37,15レベルをレジスタンスと同じレンジでの値動きを見ておきます。
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