トルコ次期首相にエルドアン大統領側近内定
月初に辞意を表明していたトルコのダウトオール首相の後任として、19日にエルドアン大統領の側近で与党公正発展等(AKP)の創設メンバーの一人であるエルドゥルム氏が次期首相に内定しました。エルドゥルム氏は技術系官僚出身で現在は運輸海事通信大臣の職にありますが22日に開かれるAKPの臨時党大会で党首に選出され、規定により自動的に首相となる予定です。
19日AKP本部での演説でエルドゥルム氏は改めてエルドアン大統領に忠誠を誓う旨を明らかにしています。
ダウトオール前首相も元々はエルドアン大統領の側近でしたが、憲法改正による大統領の権限強化や経済政策で次第に対立し、辞任に追い込まれたものです。
エルドアン大統領は中銀に対し再三金利の引き下げによる経済刺激を求めてきましたが、ダウトオール首相とやはり先月辞任したバシュチュ総裁は中銀の独立性を盾にモデレートな金融政策を取ってきました。
今後は大統領の意向がストレートに反映する可能性が高まると市場ではとらえられていて、金利低下と経済政策の中長期的危うさ加えて強権的政治への移行の弊害を懸念してトルコリラには今月売り圧力がかかっています。
年初来じりじりと上昇を続けてきたトルコリラは月初の首相辞任のニュースに急落して以降下落に転じ、月初の2.80近辺から2.99レベルでの推移となっています。
今回の後任内定のニュースではトルコリラは大きくは動きませんでした。
今後はこれまで中銀への盾として一定の役割を果たしてきたといわれている現副首相で投資銀行出身のシムシェキ氏が新内閣に残留できるか否かが注目されていますが、可能性は低いと思われます。
その場合トルコリラの対ドルレートは3.00を超えてくる可能性が高いと見られます。
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