トルコリラ円見通し 10月31日未明高値に迫る、10月末からの持ち合い上限(19/11/21)

21日早朝には19.06円を付けて10月31日未明高値19.08円以来の高値水準となっている。

トルコリラ円見通し 10月31日未明高値に迫る、10月末からの持ち合い上限(19/11/21)

【概況】

トルコリラ円は11月15日未明への円高局面で18.77円まで反落したが、その後は上昇基調を継続している。ドル円は18日夜高値へ戻したところから反落して19日以降も円高基調にあるが、一方でドル/トルコリラでは11月11日からのドル安リラ高基調が続いており、20日も対ドルでのリラ高がドル円での円高に勝ったためにトルコリラ円は上昇基調を継続して21日早朝には19.06円を付けて10月31日未明高値19.08円以来の高値水準となっている。
11月20日はドル円が108.348円から深夜に108.678円へ上昇する場面があったが、この局面での円安がトルコリラ円も押し上げ、その後にドル円が失速したところでも対ドルでのトルコリラ上昇がトルコリラ円を下支えしたようだ。

【対ドルでのトルコリラ高続く】

メジャー通貨の加重平均であるドル指数をみると終値ベースでは11月11日から下落基調にあるが11月18日以降は下げ渋っており、全般的なドル安圧力は見られない。また新興国通貨毎でのドルの強弱もまちまちであり、特段にトルコリラが上昇する材料は見当たらない。
エルドアン大統領は11月13日にトランプ大統領と首脳会談したが懸案事項は先送りされて喫緊の緊張感は後退しているものの、11月19日にはNATOのF35共同開発を巡る米国との対立に関して「米国がF35問題に関して妥協のない姿勢を続けるなら他のものを探す」と述べており、トルコがロシア製ミサイルを調達していることも含めて先行きの米国との対立懸念はくすぶっている。
対ドルでのトルコリラ上昇要因の一つだったイスタンブール100指数も19日までは3連騰だったが20日は世界全般の株安を反映して凡そ0.7%の下落となっている。

ドル/トルコリラは11月20日に5.684リラまで下落(ドル安リラ高)となり、11月4日安値5.675リラに迫っている。仮に安値を更新する場合は10月15日から二段下げ(トルコリラとしては二段上げ)となるためチャート要因でトルコリラ高がさらに進む可能性も考えられる。

トルコリラ円は10月末以降、18.80円前後を支持線とし、19円に乗せても維持できずに反落を繰り返す持ち合い相場を形成してきた。この間の最高値は10月31日未明の19.08円である。10月31日未明高値を一時的に上抜いても再び19円割れへ失速するなら持ち合いの継続だが、高値を更新した後も19円台を維持するようなら持ち合い上放れに入って10月1日高値19.15円試し、あるいは上抜く可能性も出てくるかもしれない。ただしそのためにはクロス円全般で急激な円高とならないことが必要であり、米中問題がこじれて為替市場全般がリスク回避的な反応へ進めばトルコリラ円の持ち合い上放れも阻止される可能性がある。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月19日深夜へ一段高してから再び19円を割り込んだため、20日午前時点では19日深夜高値でサイクルトップを付けた可能性があるとしたが、18.95円以上での推移中は19.00円超えから上昇再開・一段高へ進む可能性が残るとした。
21日早朝へ高値を切り上げているためまだ上昇基調の範囲にあるとみるが、20日未明に続いて21日未明も19円台に乗せた後は反落していることと、前回のサイクルボトムとした11月15日未明安値からすでに4日を経過しているので18.95円割れからは弱気サイクル入りと仮定して21日の日中から22日未明にかけての間への下落を想定する。また19日朝安値を基準としてボトム形成期が22日朝から26日朝にかけての間へ延長される可能性を検討する。
ただし、21日早朝高値を超えて続伸する場合は11月18日夜高値を基準として高値形成期を25日夜にかけての間へ延長される可能性を検討する。

60分足の一目均衡表では20日夜及び21日早朝の反落では先行スパンからの転落を回避しているが、18.50円割れから続落に入ると先行スパンからの転落となるため下げ再開に入る可能性が高まると思われる。21日早朝高値超えへ一段高となる場合は遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落の場合は遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は18日夜高値から19日深夜高値への高値切り上がりに対して指数のピークが切り下がる弱気逆行となっていたが、21日早朝へさらに高値を更新する過程でも指数のピークが切り下がって弱気逆行が続いているため、60ポイント以上へ切り返せないうちは18.95円割れからの一段安警戒とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、18.95円を下値支持線、11月21日早朝高値19.04円を上値抵抗線とみておく。
(2)19円以下での推移中は18.95円割れから19日朝安値18.84円前後試しへ向かうとみる。18.86円以下は反発注意とするが、18.95円以下での推移が続くうちは22日午前へさらに続落しやすいとみる。
(3)19円台を回復して維持し始める場合は21日早朝高値試しとするが、21日早朝高値前後から19円割れへ反落する場合は21日早朝高値を中心とした60分足レベルの三尊天井形成の可能性があると注意して18.95円割れからは下落再開とする。ただし21日早朝高値を超えて続伸の場合は10月31日未明高値19.08円から19.09円試しへ向かうとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

11月21日  
16:00 11月消費者信頼感 (10月 57.0)
11月25日
16:00 11月景況感指数 (10月 100.9)
16:00 11月設備稼働率 (10月 76.4%)

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