【概況】
11月15日未明にドル円が108.234円の安値を付けてから18日夜へ上昇する過程でトルコリラ円も18日夜高値19.01円まで上昇したが、米中協議に関する米CNBC報道が再びリスクオフを招いてドル円は19日午前に108.459円へ下落、トルコリラ円も19日朝に18.84円まで下落した。
株高を背景にドル円は19日夕刻まで戻してから反落したが、トルコリラ円はトルコ株高とドル/トルコリラでのドル安リラ高を背景に19日夕刻高値から小反落した後に戻り高値を19.04円まで切り上げた。しかし深夜にトランプ大統領が合意に消極的と報じられた後ドル円が19日午前安値を割り込む一段安となり、トルコリラ円の上昇も続かずに再び19円を割り込んでいる。
【イスタンブール100指数3連騰、ドル安リラ高】
トルコの代表的株価指数のイスタンブール100指数は3日連騰で10万7528.68ポイントをつけて9月30日高値を突破、今年5月以降の上昇基調を継続して2018年4月以来の高値を付けた。11月に入ってからは11月4日から4連騰、2日間の下落後に12日から2連騰、1日置いて15日から19日へ3連騰となり、13営業日のうち9営業日が上昇となっている。
ドル/トルコリラでも11月4日から11日まではドル高リラ安だったがその後はドル安リラ高へ持ち直しており、日足はここ3日間の株高と同調してドル安リラ高となってきた。
中東・シリア情勢一服のなかで全般的なクロス円及びドルストレートの動向を見ながらドル円とトルコリラ円はほぼ同調的な展開が続いてきたが、トルコ株独自の強さと対ドルでのリラ高により同調性にずれが生じている。
しかし、10月後半からの18.80円前後を支持線として買い戻されて19円台を維持できずに反落するレンジ相場はまだ継続中と思われるため、19日深夜高値19.04円から19円割れへと反落している状況を踏まえると、レンジ下限へ押し返される可能性が警戒されるところか。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円60分足
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月11日夕刻安値から3日半となる11月15日未明安値で直近のサイクルボトムを付けて強気サイクルに入ったとした。14日未明高値を基準として今回の高値形成期は19日未明から21日未明にかけての間と想定されるとし、18日夜から反落していたものの19日午前時点では11月19日朝安値18.84円を割り込まないうちは18.95円超えから上昇再開とした。
19日深夜へ一段高してから再び19円を割り込んでいるため、19日深夜高値でサイクルトップを付けた可能性があるが、18.95円以上での推移中は19.00円超えから上昇再開・一段高へ進む可能性が残る。18.95円割れからは弱気転換注意とし、18.90円割れからは弱気サイクル入りと仮定して20日の日中から22日未明にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では19日朝からの反騰で遅行スパンが好転し先行スパンも突破した。このため遅行スパン好転中は一段高余地ありとするが、新たな高値更新へ進めないと遅行スパンは悪化しやすくなるので、遅行スパン悪化からは下げ再開とみて安値試し優先へ切り替える。また先行スパン下限が下値支持線となりやすいと思われるが、先行スパン転落からは下げが加速しやすいため18.80円前後へ下値目途が切り下がる可能性ありと注意する。
60分足の相対力指数は18日夜高値から19日深夜高値への高値切り上がりに対して指数のピークが切り下がる弱気逆行を見せているためさらに一段安しやすい姿と思われる。上昇再開には65ポイント以上へ上昇してその後も60ポイント台を維持する必要があり、50ポイント割れの状況で推移し始める場合は一段安警戒とする。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、18.95円を下値支持線、19.00円を上値抵抗線とみておく。
(2)19円以下での推移中は18.95円割れから18.90円試しへの下落を想定する。18.90円割れはいったん買い戻しも入りやすいとみるが、18.90円割れから続落の場合はまず19日朝安値18.84円試し、さらに15日未明安値18.77円試しへ向かう可能性ありとみる。
(3)19円超えからは上昇再開の可能性ありとし、19日深夜高値19.04円超えからは10月31日未明高値19.08円試しとするがその手前は反落警戒とみる。
【当面の主な経済指標等の予定】
11月20日
23:30 10月中央政府債務 (9月 12億3920億ドル)
11月21日
16:00 11月消費者信頼感 (10月 57.0)
11月25日
16:00 11月景況感指数 (10月 100.9)
16:00 11月設備稼働率 (10月 76.4%)
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