『中期財政計画で失望売り。ムーディーズは南ア格付けをネガティブウォッチへ』
今週のレビュー(10/28−11/1)
今週の南アフリカランド円相場は、@米中協議の進展期待(※主要輸出国である中国を巡る先行き不透明感の後退)や、A世界的に広がるリスク選好ムードを背景に、週明け早々に、3ヶ月ぶり高値7.50円まで上昇しました。しかし、200日移動平均線7.55円をバックに戻り売りが強まると、B南ア・中期財政計画にてムボウェニ財務相が「国営電力会社エスコムに対する多額の支援策」「国営航空会社南アフリカ航空の負債返納遅延」「歳入の大幅減」を発表したこと(=市場はムーディーズによる格下げリスクを想起)、C米中対立リスク再燃(中国より「米国との長期的貿易合意の実現可能性に疑念」との見解が報じられたこと)を背景とした世界的なリスク回避ムードが重石となり、週末にかけては、約3週間ぶり安値7.12円まで急落しました。尚、米国時間引け後に発表されたムーディーズによる定例格付け見直しでは、「Baa3」の据え置きと、見通しの「安定的」から「ネガティブ」への変更が決定されました。
来週の見通し(11/4−11/8)
今週の南アフリカランド円相場は、週初に記録した3ヶ月ぶり高値7.50円をトップに反落に転じると、週後半にかけて大きく値を下げる展開となりました。この間、一目均衡表転換線や同基準線、一目均衡表雲上下限、ボリンジャーミッドバンドを全て割り込むなど、テクニカル的にみて「上昇」→「下落」へのトレンド転換が意識されます(10/8安値6.98円を割り込めば、ダブルトップからの下放れも完成)。ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカを巡る景気減速懸念や、A国営電力会社エスコムの負債問題(=政府の財政悪化懸念)、B米中対立激化を背景とした南アフリカ最大の貿易相手国「中国」の景気下振れ懸念、Cムーディーズによる見通し変更「安定的→ネガティブ」など、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが意識されます。ムーディーズにより見通し変更(ネガティブウォッチ)は事前予想が半々に割れていたことから、週明けの外国為替市場では南アフリカランドが窓を開けて売り込まれるリスクが警戒されます。状況次第では、心理的節目7.00円を割り込み、8/26安値6.78を試すシナリオも想定されます。11/7に予定されている南ア・10月SACCI景況感指数や、南ア・9月製造業生産高の結果を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ ZARJPY 6.80ー7.30
南アフリカランド円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2019.11.04
ランド円ショートコメント(19/11/4)
アウトルック(見通し)こそ安定的からネガティブへと下げられたものの、格付け自体はジャンクを免れたことでその後のランドは下げ止まる動きとなっています。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2019.10.31
ランド円ショートコメント(19/10/31)
月曜は東京市場が休場となりますので、今日のうちに注意喚起を兼ねランド円のショートコメントを上げておきます。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。