東京市場、株為替とも方向感を失う
本日の東京市場では朝方発表された本邦GDPが予想外に高い数値であったことから、事前の景気対策を期待しての円安株高が、前提の「悪いGDP」のはしごをはずされ、乱高下する展開となりました。
日経平均株価は朝方のGDPの改善により政策期待の後退から下落した後、マイナス金利の拡大を回避したとの見方から今度は金融株などが買われ逆に上昇する展開となりました。しかし、午後にはスズキ自動車の燃費データ不正報道などから再度地合いが悪化、後場は値を下げたものの依然として政策出動に対する期待がくすぶりで押し目買いも入り結局終値は前日比-8円とほぼ変わらずの16,644円で終了しました。
一方円相場も朝方はGDPの衝撃で一時的に円高に触れ安値108.72をつけたものの、株価の方向感が定まらない中で為替も同様の動きとなり、午後は109円台を中心に推移。
海外時間に移ってからは今晩公開されるFOMC議事要旨の中身から利上げ観測が強まるのではとの思惑からドル買いが強まったことから109.50を超えてきています。
予期せぬGDPの改善からガタガタになった感のある本日の東京市場でしたが、結局消費増税に関しては今のところ安倍首相も菅官房長官も従来の「重大事態が発生しない限り実施」の姿勢を崩していません。また、特に財政政策、金融政策に動きも感じられず、総肩透かしを食らった感のある一方で、GDP自体はうるう年要因を勘案すれば特に言い訳でもないとの見方も広がり、結局どの部分がどの程度今の株や為替の相場に織り込まれているのかがわからなくなったままに、次のテーマに移行しつつあるという感じです。
週末のG7に関しても為替にせよ財政政策にせよ統一的な強いメッセージを形成できる素地はなく、ありきたりな確認に終わりそうとの見方が広がっています。
今晩の注目は日本時間3:00に公表される前回のFOMC議事要旨、昨晩の米経済指標が軒並み改善されて金利引き上げ観測から米株式市場が下落した流れを受けて、市場と連銀関係者の間に明らかに開きのある今年の金利引き上げ回数や時期の検証作業となりそうです。
チャート的にもどうやら膠着相場を上抜けそうな形となりつつある中、昨晩の高値109.65を抜けて、節目の110円、現在110.57近辺にある一目均衡表の雲の下限等に到達することができるか否かが今晩の見所でしょうか。
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