ドル円、米中協議進展期待で107円ミドルを突破。約1週間ぶり高値圏へ
海外時間の為替概況
9日(水)の海外市場でドル円は上昇。米中閣僚級通商協議(10/10ー10/11)を前に様子見ムードが強まる中、アジア時間は終始107円台前半での横ばい推移が継続しました。しかし、欧州勢参入後に「中国、米国との部分的な貿易合意にオープン」「中国が米農産物100億ドルの追加購入を提案」とのヘッドラインが報じられると、米中協議を前に楽観的な見方が強まり、米主要株価指数の上昇・米長期金利上昇を伴いながら、ドル円も上昇し、米国時間午後にかけては、10/2以来、約1週間ぶり高値となる107.63まで上値を伸ばしました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局107.50近辺でのクローズとなっております。
尚、FOMC議事要旨(9/17ー9/18開催分)では、「大半のメンバーが9月利下げの必要性を支持しつつも、金融政策の方向性については、依然メンバー内で意見が割れていること」が明らかとなりましたが、市場の反応は限定的となっております。
一方、ユーロドルは上値の重い展開。欧州時間序盤にかけて、英ポンドの急伸に連れる形で一時1.0991まで上昇するも、5営業日連続で1.10トライに失敗すると(10/3高値1.1001、10/4高値1.0999、10/7高値1.1000、10/8高値1.0997、10/9高値1.0991)、米国債利回りの上昇に伴う「ドル高」が重石となり、結局、1.0970台まで反落してのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、10/3安値106.48をボトムに底打ちすると、10/4安値106.58→10/7安値106.69→10/8安値106.82→10/9安値106.93と、下値を段階的に切り上げる展開となっております。この間、一目均衡表基準線や、一目均衡表雲上限などの主要チャートポイントを突破するなど、テクニカル的みて、「下値の堅さ」が意識されるチャート形状となりつつあります。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@トランプ米大統領を巡る弾劾機運が高まっていることや、A欧米を始め世界経済の減速懸念が燻っていること、B中東及び朝鮮半島を巡る地政学的リスク、C英国の合意なき離脱リスクの可能性、D香港情勢の緊迫化、E日米金融政策の方向性の違い(追加利下げが織り込まれる米国と、副作用を警戒して追加緩和に二の足を踏む日銀との金融政策の方向性の違い)など、引き続き「ドル売り・円買い」に繋がり易い材料が多く残っています。また、F本日から明日にかけて開催される米中閣僚級通商協議を巡る不確実性もドル円の上値を抑制すると考えられます。
昨日は、「中国、米国との部分的な貿易合意にオープン」とのヘッドラインをきっかけにリスク選好ムードが強まりましたが、トランプ米大統領は以前より「部分合意」に否定的なスタンスを示しており、この材料のみでどんどんドル円を買い上げていく展開には繋がらないと考えられます。当方では引き続き、米中イベントは「sell the fact(米中イベント終了後の反落)」を予想しております。(本日の予想レンジ:106.80ー107.80)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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