ドル円 底堅いイメージだが、ドルに続落懸念も(19/9/24夕) 

基本的にはドル安方向に若干のバイアスを掛けつつ、107円台を中心としたレンジ取引を続ける可能性が高いように思っている。

ドル円 底堅いイメージだが、ドルに続落懸念も(19/9/24夕) 

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場は、引き続き揉み合い。株価の動きなどに一喜一憂しつつも、107円後半の20ポイント強のレンジ取引。方向性は乏しかった。

ドル/円相場は107.50-55円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。日中安値は107.45-50円までと、107円半ば以下は依然として底堅いものの、上値も重く107.70円にはとどかず。途中、黒田日銀総裁による発言も聞かれたが、新味なしとの見方のためか、影響は極めて限定的だった。107円後半を中心とした保ち合いをたどるなか、16時時点では107.55円前後で推移、欧米時間を迎えている。

なお、ドル/円以外の主要通貨ペアも全般小動きをたどるなか、気を吐いていたのがトルコリラ。対円では夕方にかけ18.90円台まで急伸、19円台回復も視野に入れた値動きに。

一方、材料的に注視されていたものは、「日米貿易協議」と「米中貿易協議」について。
前者については昨日、朝日新聞による報道「自動車関税は交渉継続、部品を含めて自動車分野では早期に関税が引き下げられない可能性」などを背景に、筆者は合意間近とされる日米協議に対し懐疑的な見解を示したが、そののちANNニュースが「日米首脳会談に貿易協定の正式文書が間に合わないことがわかった」と報じ物議を醸す。

また、その後もNYタイムズや共同通信などが追随。同様の論調を報じるなか、菅官房長官は会見で「残された作業加速化させている」と述べ、25日の合意を諦めていない考えを示していた。

それに対して後者は、決裂したかに見えた19-20日に実施された次官級協議について、米財務長官が「米中通商協議は来週ワシントンで再開される」と述べたほか、中国当局者らが米農業地帯の視察を中止したことについて、「米政権が要請した」と明らかにし、市場の懸念を払拭にかかっていたようだ。

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ドル/円については107円半ばから後半での推移となっており、明確な方向性は乏しい。しかし、市場の一部ではまたぞろ「米中貿易協議の進展期待」などといった文言が取り沙汰されている。何度期待を裏切られたらわかるのだろう?先週末からの行動について、もう忘れてしまったのだろうか?筆者には疑問しかない。
油断は禁物だが、基本的にはドル安方向に若干のバイアスを掛けつつ、107円台を中心としたレンジ取引を続ける可能性が高いように思っている。

材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が目白押しの状況。そのいずれも要注意だが、特にとなると「米貿易問題」が気掛かりだ。

うち日米については、複数報道で「日本時間24日朝に閣僚協議を開き、最終調整を行った」とされるうえ、現地時間24日午後には麻生財務相とペンス米副大統領が会談し、「貿易交渉の進捗を確認するとみられる」という。果たして当初の見込み通り25日の日米首脳会談で署名できるのかどうか、また内容的には如何なものかなど動静をしっかりと注視したい。

テクニカルに見た場合、昨日欧米時間に107.40-108.50円という目先のボックスを一時下回るも、ドル安値は107.30円レベルまで。ドルの一段安が進行することはなく、むしろ底堅さが目に付く格好となった。107.20円レベルには一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置しているほか、移動平均の25日線は107円前後で推移するなど、ドル安方向のテクニカルポイントは多く、目先ドルは底堅く推移する可能性もある。

一方、材料的に見た場合、9月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債の入札が実施される見込み。
一方、材料的に見た場合、9月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債の入札が実施される見込み。

また、それらとは別に本日は政治的な注目要因も少なくない。そのひとつは、前述した「麻生・ペンス会談」だが、それ以外でも「トランプ米大統領、安倍首相らが国連総会で演説」する予定で、なかでもトランプ発言を警戒する声は少なくないようだ

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.00-108.00円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値を含めた107.70-80円に弱い抵抗が位置しており、超えれば108円前後、そして直近のドル高値108.48円がターゲットに。

対するドル安・円高方向は、昨日記録した安値107.30円レベルの攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも25日線をはじめテクニカルポイントが連続しており、かなり底堅そうなイメージだ。

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