豪州中銀議事要旨(2019年9月17日公表:理事会は9月3日開催分)
今回の議事要旨は、前回とほとんど内容が変わらず、必要とあれば追加緩和を行うとしています。経済状況は前回に下方修正していますので、その状況からは変わりなく、むしろ一部住宅で改善の兆しありとしています。従いまして、現状では更に米中貿易紛争が激化し、それが世界経済に与える影響がどのくらいになるかが、追加緩和の焦点になりそうです。
(議事要旨)
(世界、国内経済などは略:内容は過去のものと大差ありません)
(金融政策に対して考慮する事柄)
委員達は世界成長の見通しに関するリスクが下方になったことを国際経済に関するニュースで確認したことを認めた。米中の貿易紛争は激化し、中国の経済は引き続き減速した。企業の雇用や労働市場はタイトにも関わらず、これらの進展が世界経済の貿易や投資決定に影響を与えていることを示す指標が更にあった。
この背景や低インフレに対し、幾つかの中銀はここ数ヶ月で利下げを実施し、更なる緩和が予想されている。長期国債のイールドは下がり、豪州含め多くの国で歴史的な低水準になっている。企業や家計の借入金利もまた歴史的低水準である。豪州ドルは最も低い水準で推移している。
国内では、委員達は金融政策決定に関連した幾つかの進展があったことを確認した。第1に、雇用は引き続き強く、労働参加率は歴史的に高い。しかしながら、失業率はここ数ヶ月5.2%で安定的に推移している。同時に、賃金の伸びは依然として低い。賃金圧力を示す指標はほとんどなかった。委員達は賃金の緩やかな伸びがこの後の進展には歓迎すべきことを確認した。
第2に、中古住宅市場で変化の兆しがあった。とりわけシドニーとメルボルンにおいてである。ただ、その変化は依然低いままであるが。住宅関連の貸出の伸びはまだ抑えられている。住宅金利は歴史的に低い水準にあるが。中銀支店からの居住用ビル建設許可や関連情報を見ると、この先はまだ住宅投資が弱くなることを示唆している。委員達は住宅価格サイクルの中で将来の上げに向けての種まきをしているものと確認した。(住宅関連一部略)
最後に、6月末期のGDPの伸びは0.5%と予想通りだった。この伸びの最大の貢献項目は輸出と公共需要だった。消費を含む民間最終需要、企業投資、住宅投資は予想通り弱かった。
先々に目を向ければ、生産高の伸びに関する見通しは低金利、最近の減税、中古住宅販売の最近の伸び、資源関連部門の明るい見通しによって支えられている。主要な不確実性要因は消費見通しである。ただ時間経過で上昇が見込め、家計の可処分所得の緩やかな伸びや住宅市場の改善に支えられている。インフレ圧力は依然弱い。しかし、インフレも2021年に向けては2%を幾分越える伸びになると予想している。これは生産高の伸びやタイトな労働市場による。
利用できる情報を基に、委員達は豪州に必要とされる低金利の長期化が完全雇用やインフレ目標に向け、より確固たる進展を達成するには必要であると判断した。委員達は、労働市場を含め国内外の経済進展具合に接し、経済成長を維持しインフレ目標を達成するに必要とあれば、一段の緩和を行うことを確認した。
委員会はキャッシュレートを1%のまま据え置くことを決定した。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
豪ドル米ドルの相場は発表前に0.6855〜60米ドル付近で推移していましたが、先々の緩和示す中銀議事要旨や同時刻の第2四半期住宅価格指数の弱い数値(発表数値は予想を上回っていますが。)に20ピップス程度豪ドルが売られ、その後も10ピップス程度緩んでいます。材料としては、むしろサウジアラビアの石油精製施設への攻撃による地政学リスクが影響していると思われます。
相場に関してはシカゴポジション196をご参照願います。
(2019年9月17日15時50分、1豪ドル=0.6832米ドル)
オーダー/ポジション状況
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現在のショートを一段と減らしてくるのか、再度ここから積み上げていくのか分岐点にきています。
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