<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場は、108円前半での一進一退。NYダウ先物を中心とした株価の動きに右往左往しつつ、結果的にはレンジでの値動きに終始している。
ドル/円相場は108.15-20円で寄り付いたのち、基本的には108.00-25円のボックス相場。10時過ぎ、わずかにドル高が進行し108.35-40円へと上昇する局面もあったが、感覚としてはミスヒットに近く、実際の滞空時間も数分と非常に短かった。16時時点では寄り付きレベルの108.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか韓国ウォンが対ドルで大きく下落。ドル/ウォンは12日以来の1190ウォン台を示現する局面も観測されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「日米貿易交渉」と「サウジ情勢」について。
前者については、前日に日経新聞や読売新聞などがワインやコメ、牛肉といった個別品目についての関税枠を報じ、合意間近をうかがわせるなか、ついに「日米が暫定的な貿易合意」が実現した。トランプ米大統領は議会に対し、今後数週間以内に貿易協定に署名する意向を伝えたという。なお、そののち麻生財務相から「日米貿易協定交渉に為替条項は入らず」との発言も聞かれている。
それに対して後者は、先週末に発生したサウジの石油施設攻撃について、ロシア大統領報道官から「結論を急いではいけない」との発言が聞かれた一方、トランプ氏は「イランの関与は間違いないようだ」と断定し物議を醸す。また、それとは別にUAEのエネルギー相は「影響を見極めている段階」などとしたうえで、OPEC加盟国が増産に向け何らかの措置を講じることは時期尚早との認識を示していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルはわずかながら、直近の戻り高値を更新してきた。これは主に株価の動きに沿うところが大きいが、先週末突発的に飛び込んできた「サウジの石油施設攻撃」報道を受けたリスク回避志向は、結果からすれば一日という時間も持たなかったことになる。
いずれにしても、ドルは再び戻り歩調にあるとみられ、リスクはドル高方向にバイアスか。場合によっては8月高値109.32円をターゲットにしたドル続伸も否定出来ないだろう。ただ、FOMC前ということで、一部からは積極的にドルの上値を追いにくいとの声も。
材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」などが注視されるなか、「サウジ情勢」も新たな注目材料に加わった。原油価格などを見た限り、第一波は終了し、足もとはやや小康となっている感があるものの、引き続き続報などには注意を払いたい。
一方、それとは別にいよいよ目前に迫ってきたFOMC、「米金融政策」についても一応要注意。実際、昨日もトランプ米大統領は、自身のツイッターで、「サウジの石油施設攻撃」で原油供給に大きな支障が生じたことに触れたうえ、「原油が打撃を受けた。大幅な利下げだ、刺激だ」−−などと指摘していた。マーケットの反応はいまひとつだったが、依然として予断は許さないだろう。
テクニカルに見た場合、一目均衡表の先行帯の雲の上限、フィボナッチでも重要なテクニカルポイントを上抜けたことに続き、年初来高値112.40円と8月高値109.32円を結んだ中期の下降トレンドラインを、足もと上抜きに掛かっている。ちなみに、同ラインは108円前後に位置しており、本稿執筆時、ザラ場ベースでは若干ながら上抜けた状態だ。このあと、NYクローズでも「しっかり」と上抜けるのか、それとも再び押し戻されるのか、今後の値動きをしっかりと注視したい。
一方、材料的に見た場合、8月の鉱工業生産や同設備稼働率、9月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定となっている。18日までに日程でFOMCが実施されるなかだけに、好悪いずれであっても予想値を大きく外した場合には、市場で思惑を呼ぶ可能性もありそうだ。
そのほか、「ブラックアウト期間」に入っているため、米国要人の講演などは実施されないが、クーレECB理事など欧州要人の発言機会が幾つか観測されており、そちらを警戒する声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.70-108.70円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である108.35-40円をめぐる攻防にまずは注目。しっかり抜ければ109円、そして109.32円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、107.90-00円が最初の下値メド。ただ、下方向のサポートは数多く、割り込んでも堅いイメージだ。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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