南アフリカ準備銀行(SARB)理事会を翌週に控え、方向感を見出しづらい時間帯が継続
今週のレビュー(7/1−7/5)
今週の南アフリカランド・円(ZARJPY)相場は、週初7.678円で寄り付いた後、@G20後のリスク選好ムードの高まりや、A南アフリカ6月SACCI景況感指数(結果93.3、前回93.0)の改善を材料に、週後半にかけて、約1ヶ月半ぶり高値となる7.728円まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲上限や90日移動平均線に続伸を阻まれると、週末にかけて再び反落。イランを巡る地政学的リスクや、金価格の下落が重石となる中、週間安値となる7.602円まで軟化しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、結局7.650円で週間クローズ。週を通して方向感に欠ける値動きが継続しました。
来週の見通し(7/8−7/12)
南アフリカランド・円相場は、1/3安値と3/28安値を結んだサポートラインの下抜けを契機に下げ足を速め、6/7には、一時9ヶ月ぶり安値となる7.148円まで急落しました。しかし、その後は、41営業日ぶりにボリンジャーバンドのミッドバンドを上抜けした他、一目均衡表転換線及び基準線の突破に成功。先週は一時的にではあるものの一目均衡表雲上限や、90日移動平均線の上抜けも実現しました。テクニカル的にみて、「下落」から「中立」へのトレンド転換が意識されます。週末にかけて反落したことで、終値ベースでの一目均衡表雲上限「超え」は阻まれましたが、同水準を突破することができれば、「中立」から「強気」へのトレンド転換も視野に入ります。特に来週以降、一目均衡表の雲が全般的に垂れ下がってくる為、同抵抗帯突破の可能性は日を追うごとに高まってくると考えられます。
とはいえ、@南アフリカにおける景気後退リスク(リセッション入り)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題、B政府による中銀干渉を受けた南アフリカ中銀(SARB)の独立性に対する疑念、CSARBの利下げ観測、D米中貿易摩擦の先行き不透明感を背景とした南アフリカ最大の貿易相手国「中国」の景気下触れ懸念など、ファンダメンタルズ的な不安要素を考慮すれば、南アフリカランドが一方向で上昇するシナリオも想定し辛い状況です。ここ数週間は、欧米など主要先進国の金融政策ハト派化を受けて、相対的に金利の高い南アフリカランドに資金流入する動きが見られていますが、7/18に予定されている南アフリカ準備銀行(SARB)理事会での利下げ観測は相応に根強く、金利差に着目した南アフリカランド買いの優位性が徐々に剥落する恐れもあります。来週は南アフリカの経済イベントの発表に乏しいことから大きな動きは見込み辛く、米ドルや円の動きに振らされつつも、レンジ内での上下に留まりそうです。(来週の予想レンジ ZARJPY 7.450ー7.850)
南アフリカランド円日足
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