今週の週間見通しと予想レンジ
ユーロドルは1週間のレンジがわずか67pips、しかも火曜以降はそのほとんどの時間帯が1.1360〜75での取引に留まり、米国とイラクとの緊張や、G20サミットに向けての米中間の休戦思惑といったニュースにもおよそ反応が鈍いままに終わりました。G20サミットが終わって週明けもユーロドルはギャップも空けず落ちついた取引が続いています。
最近のニュースに関しても中東の緊張緩和による原油価格上昇、あるいはリスクオフによるドル建て金価格上昇など、材料視される時にはされる訳ですし、米中協議がある程度まとまる方向が出てくれば、その後は日米、米欧との通商協議も控えています。また、しばらく静かだった為替に関しても、トランプ大統領はECBの緩和とともにユーロ安にも苦言を呈してきたことから、いつまたユーロ高の動きが出てきてもおかしくは無いだろうというのが、最近のユーロを取り囲む環境と言えます。
一方で、より長期間に影響を及ぼしている材料として、欧州の弱い景気や、10月期限のブレグジット。こうしたテーマはユーロ売りの材料となるわけで、長期的にはユーロ売り、短期的にはユーロ買い、しかし実際のところはどうなのかという動きがまさに6月のユーロドルの動きであったと考えられます。7月に入っても今週の米国雇用統計くらいでは一時的な振れにつながる程度ですし、ECB理事会も英国保守党党首選も7月下旬ですから、しばらくは方向感がはっきりしない展開が続かざるを得ないと見ています。
テクニカルには悩ましいチャートであることに代わりは無いのですが、短期的には押し目買いが出やすそうなチャートとなっています。日足チャートをご覧ください。
年初からのレジスタンスライン(先週までピンクで表示)は何度もラインを上下して現状では意味がありませんので消しました。一方で、4月・5月のレジスタンスライン(青)は6月中旬の押しで下げ止まる動きを見せたため、今週は残してあります。そして、現時点でもっとも確かな波動は5月安値を起点とした上昇N波動です。5月安値と6月中旬の押しを結んだサポートラインとそれに平行なラインとで上昇チャンネル(赤)を引きましたので、現在はこのチャンネルの上限から次は押しが入りやすいのではないかと思わせるチャートです。
6月はN波動の100%エクスパンション(1.1423)には届きませんでしたが、押しを挟んだ後に同水準、そして127.2%(161.8%の平方根)エクスパンションとなる1.1489を試す可能性があるチャートと見ることが出来そうです。あまり歯切れはよくありませんが、今週は1.1290レベルをサポートに、1.1425レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
今週のコラム
上記の若干ブル目線のユーロドルの見通しを反映させて今週もユーロ円のテクニカルな立ち位置を考え直します。少し範囲を狭く拡大して表示します。
6月安値からかなり緩やかではあるものの上昇N波動を形成し、今朝のギャップアップで6月高値に並ぶ水準となっています。6月高値はN波動の100%エクスパンション(ピンクのターゲット)とも一致しますし、4月高値と6月安値の38.2%戻しであることは先週書いた通りです。ここを抜けてくると5月後半の戻し高値がターゲットとなりますが、これは同様に半値戻しの123.80と重なる水準であることがわかります。
先週まではもみあいを想定した読みとなっていましたが、今週はややユーロ円も底堅くもう少し上値余地がある週とみておくつもりです。
今週の予定
7月3日(水)
16:50 フランス6月サービス業PMI改定値
16:55 ドイツ6月サービス業PMI改定値
17:00 ユーロ圏6月サービス業PMI改定値
17:30 英国6月サービス業PMI
21:30 米国5月貿易収支
7月4日(木)
18:00 ユーロ圏5月小売売上高
7月5日(金)
15:00 ドイツ5月製造業新規受注
15:45 フランス5月貿易収支
21:30 米国6月雇用統計
前週のユーロレンジ
上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時~NY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
6月24日(月)
ユーロドルは積極的な取引は見られなかったものの欧州市場序盤に発表された経済指標が強かったこともあって、底堅い展開が続きました。引けにかけては1.14台に乗せそのまま高値圏での引けとなりました。
6月25日(火)
ユーロドルは東京後場に中東での緊張の高まりから1.1412レベルとリスクオフでのドル売り・ユーロ買いが先行しましたが、その後はドル買いへと転じNY市場では1.1345レベルまで下押し後にやや戻して引けました。
6月26日(水)
ユーロドルは、前日の流れを受け上値は重たかったものの、前日安値を攻めきれずにNY市場では買い戻しの動きが目立ちました。それでも、値幅は狭く次の材料待ちという地合いに変化は見られませんでした。
6月27日(木)
ユーロドルは東京前場の動きは米中の休戦思惑からドル円とドルの動きを揃えたもののその後はまったく動かず。ここ数日はいつ見ても1.1365水準という閑散相場のまま引けました。
6月28日(金)
ユーロドルは、欧州市場では細かな上下は見られたものの基本的には小動き、金曜土曜に開かれるG20と米中会談を見守りたいという週末相場となりました。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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