米4月小売売上高結果
4月小売売上高結果
(今回発表済)2019年5月15日
昨日発表された4月の米国小売売上高が予想+0.2%を大きく下回る▼0.2%になりました。除く自動車でも予想+0.7%に対し僅か+0.1%となり、小売売上高の減速が目立ってきました。下図をみても6ヶ月移動平均線が2018年央以降、減速感を強めていることが解ります。米国GDPにおける個人消費の割合は約60%も占めているので、影響度合いは大きくなっています。
(1)米小売売上高(前月比ベースと6ヶ月移動平均線、赤い線はゼロ)
続いて45分後に発表された4月鉱工業生産指数が予想0.0%に対して▼0.5%、設備稼働率も予想78.7%に対して77.9%に留まり、5月NY連銀製造業景況感指数(17.8)のみが予想(8.5)を上回っただけとなりました。
下図(2)はアトランタ連銀GDPナウです。昨日の小売売上高、鉱工業生産指数、企業在庫を入れたあとのGDP見通しを示しています。5月15日にそれまでのGDP見通し+1.6%が+1.1%(下図○印)まで大きく下がったことが解ります。
(2)アトランタ連銀GDPナウ(出所:アトランタ連銀HPから)
NY株式は寄り付きがマイナススタートとなりましたが、その後は米金利軟化を背景に買い戻され、結局NYダウは前日比+116ドル高で引けました。この株高材料にされたのが、上記3指標の悪化によるFRB米利下げ思惑です。アジア時間帯に発表された中国の小売売上高や鉱工業生産指数も予想以下になったことから、世界経済鈍化懸念⇒FRBの先行き利下げ観測です。
為替相場も世界経済鈍化を背景にした米金利軟化で、欧州時間帯にドルは109円16銭まで売られましたが、トランプ大統領の自動車関税賦課6ヶ月延長や金利軟化材料に株高となり、ドルが買い戻されました。本来なら経済指標悪化やFRB利下げはドル売り材料ですが、将来の景気回復期待に賭けたようです。
今日のドルの上値抵抗線は109円70銭〜80銭、110円20銭〜30銭にあります。一方で下値サポートは109円00銭〜10銭が固くなっています。
米中貿易交渉の結論が長引けば長引くほど、経済指標悪化の可能性が高まりますので、さすがに米株も企業業績の方に目が移ってくると思われます。
(2019年5月16日13:40、1ドル=109円51銭、1ユーロ=1.1210ドル)
オーダー/ポジション状況
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