ランド円ショートコメント
今回はここ2週間の振り返りから入りましょう。
先々週のランド円は、その前の週に8円の大台で反落した動きを受け、上値の重たい展開でスタートしましたが、南アの経済指標が弱かったこと、またエスコムの停電が南アの生産性を下げていることから更なる景気の減速が懸念されるとの見方が広がり、連日のランド売りから25日には7.68レベルの安値をつけ、週末にはやや戻しての引けとなりました。
先週は本邦個人投資家が動かなかったことから動意は鈍かったものの、明日8日に行われる南ア総選挙において、与党が議席を減らすであろうとの思惑が更に上値を抑える動きにつながりました。与党ANCが過半数を割ることは無いとはいえ、都市部では一向に改善が進まない南ア経済への不満も強く、ヨハネスブルクでは過半数を割り込む可能性が指摘されています。こうした事もランドの重石となって明日の選挙待ちとなったはずですが、週末に南アにとっても大きな事件が起きました。
対中制裁の関税25%を10日から適用するというトランプ大統領の発言です。
南アにとって中国は最大の貿易相手国であり、中国発のリスクオフの動きが出てくると、素直にランド売りにつながりますが、昨日週明けのランドは、対ドル、対円ともギャップを空けて始まりました。本日7日は7.60レベルまで安値を拡げていますが、今週最大の材料である選挙も悪材料となりやすいため、ギャップを埋めることは徐々に困難になって来ていると言えるでしょう。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
3週前の8円の大台からレジスタンスラインを引き、それに平行な下降チャンネルをピンクの平行線で示してあります。やや上値の余地が狭い感はありますが、テクニカルにはこのレジスタンスを大きく上抜ける動きは難しいと見るべきでしょうし、先週末の終値が7.73であることを考えると、せいぜい高値はギャップを埋める程度ではないかと見ています。また、下値は今週末には7.40レベルまで下げてきます。
今週のランド円は南ア総選挙、米中協議の行方といったイベントを睨みながらも、7.75レベルをレジスタンスに、7.40レベルをサポートと一段安の週をみておきます。
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