短期トレンドは“豪ドル弱気”。新たな下落リスクに要注意。
5/3に発表された3月の米雇用統計は失業率が3.6%と49年振りの低水準となり、新規雇用も予想を上回る増加を示し、米雇用市場の強さが改めて認識されましたが、平均時給の伸びが市場予想を下回ったこと、その後に発表された4月のISM製造業景況指数が52.8と市場予想を大きく下回ったことからドル売りとなり、豪ドルは対ドル、対円で上値を抑えられて越週しました。さらに、トランプ大統領がNY時間の5日にツィッターで、中国からの輸入品2000億ドル相当に課している関税を10%から25%に引き上げると表明したことから、リスク回避的な動きが強まり、豪ドル円は節目であった0.7000と78円を割り込んで急落しています。
チャートを見ると、日足は4/17に付けた80.72を直近高値として上値を切り下げていますが、78.00±10銭の下値抵抗を守って越週しました。しかしトランプ大統領の発言を受けて、5/6のシドニー市場では78円を割り込んでスタートし、さらに値動きの中で77.50割れを見て新たな下落トレンド形成の動きに入った可能性が高くなっています。75.40〜76.00ゾーンに強い下値抵抗がありますが、短期トレンドが変化したばかりであるため、下げエネルギーが強い状態にあり、これをすり抜けてしまう可能性にも注意が必要です。
日足の上値抵抗は77.50-60、78.10-20に下値抵抗は76.70-80、76.00-10、75.40-50にあります。
21日、120日、200日移動平均線は79.34、79.33、79.98にあり、全てを下抜けて“豪ドル弱気”の流れにあります。
一方週足は3週連続引けとなり上値を切り下げています。78.00±10銭の週足の抵抗を守って越週したものの、トランプ大統領発言により、5/6には重要ポイントを下抜けており、78円超えに値を戻して終えない限り、一段の下落リスクにより警戒が必要です。今週の週足の上値抵抗は78.00-10、78.70-80に、下値抵抗は76.00-10、74.90-00にあります。31週、62週移動平均線は79.55と80.78にあり、両者を大きく下抜けた状態で、4月に付けた80.72で戻り天井を確認した可能性が高くなっています。また、月足も4月足は値幅が小さいながらも上ヒゲのやや長い陰線引けとなり、上値トライに失敗した形となっており、昨年12月の大陰線の値幅(安値77.16)を下抜けて越月した場合は、新たな下落リスクが生じます。
豪ドル/円【週足】:(5/3現在31週移動平均線は79.55に、62週線は80.78にあり、これを大きく下抜けて中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに入っている)
オーダー/ポジション状況
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