<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は横ばい。終日を通したレンジは20ポイントにもとどかないなど、動意らしい動意はほぼ見られなかった。
ドル/円は、111.80-85円で寄り付いたものの、同レベルを中心に上下10ポイント程度、つまり111.70-90円といった非常に狭いレンジ取引に終始している。日経平均株価は続落、それも129円の大幅安となったものの為替市場への影響は限定的だった。16時時点では111.80-85円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、動きの鈍かったドル/円に対し、ユーロやポンド、豪ドル絡みの通貨ペアはなかなか活発な変動。とくに、発表された豪10-12月期GDPが下振れしたこともあり、豪ドルが対円やドルで大きな下げを記録している。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「英国情勢」について。
前者は、引き続き決裂に終わった米朝会談についての論評・分析的な報道が目につく。一例をあげると、韓国国情院「北朝鮮内に米朝会談への失望感」、米メディアRFA「北朝鮮住民のあいだで米朝協議失敗の便りが急速に拡散」など。また北朝鮮の最新情勢として、聯合ニュース「韓国情報機関、北のミサイル基地に『復旧兆候』」、分析サイト38ノース「北朝鮮、ミサイル施設を再建」といった指摘も聞かれている。そのほか、米大統領補佐官「進展なければ北への制裁強化を検討」、「日米韓が局長級協議へ、北対応で連携確認へ」との発言や報道もあったようだ。
対して後者は、「英とEU、離脱案めぐる5日の協議は合意に達せず」などと報じられるなか、「ロンドンで『爆発装置3個発見』、テロ捜査を開始」、スカイニュース「日産自、英主要工場で生産能力削減を検討」といったニュースも。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のNYでドルは年初来高値をわずかに更新するも、滞空時間は短く、また終値ベースでは再び111円台へと押し戻されている。敢えてリスクを指摘すれば上方向にバイアスが掛かるものの、それほど勢いを感じるものでもない。引き続き動静には注意を払いたいところで、先日トランプ米大統領が「強いドルに懸念」を示していたこともあり、仮にドル高が進むにせよイケイケドンドンの展開は見込みにくいとの指摘も。
材料的には、前述したように決裂に終わった米朝協議を受けて、北朝鮮に若干キナ臭い動きが観測されていることは気掛かり。続報などには要注意だろう。また、米中貿易問題などを背景とした「中国ファクター」にも警戒する声が多いなか、ごく目先的には今後発表される米経済指標の内容が波乱要因として取り沙汰されていた。本日で言えば、週末・米雇用統計の先行指標と目されるADP雇用統計が発表されることで、同指標への注目度が高いようだ。
テクニカルに見た場合、フィボナッチで見たテクニカルポイントにもあたる112.05-10円を一時的にせよ、越えてきた。しかし、それほどドル高は走らず、また結局もとのレベルである111円後半へと回帰している。微妙なところだが、ドルの続伸は早くも仕切り直しになったのかもしれない。むしろ、ここ数日の安値である111.60円レベルを割り込めば、さらなる下押しが入る可能性も否定できないようだ。
一方、材料的に見た場合、2月のADP雇用統計や12月の貿易収支などの米経済指標が発表されるほか、米地区連銀経済報告も公表される見込みだ。また、メスター・クリーブランド連銀総裁やウィリアムズNY連銀総裁の講演なども予定されている。
また、昨日は英国情勢をめぐってポンドが荒れ模様の値動きをたどっただけに、本日も同様の値動きを警戒する声が聞かれていた。なお、材料的には昨日合意に達することができなかった「英とEU、離脱案めぐる協議」が本日も実施される見込みとなっている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.20円。ドル高・円安方向は、昨日更新した年初来高値である112.10-15円が最初の抵抗。抜ければ112.25-30円などを目指す展開が予想されている。
対するドル安・円高方向は、引き続き先週末のNY安値である111.65円レベルがサポートとして寄与。ただ、下回っても111.30円レベルは移動平均の200日線が位置するなど、底堅いイメージにも変わりなし。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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