トルコリラ円レポート
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、上昇傾向継続と見て「前週の安値圏20.40レベルをサポートに、12月26日の高値圏21.05レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が20.35レベル、高値が21.06レベルとほぼ予想に沿った動きとなりました。
先週のトルコリラ円は、週初は調整売りが先行し前週安値を若干下回る動きとなりましたが、その後は買い戻しが出て12月26日高値に並んで、そのまま高値圏での引けとなりました。材料的には週初は前週末からのトルコによるシリア攻撃が嫌気された面もありドルトルコリラでのトルコリラ売りがやや目立ちました。また一部では注目されていたようですが、30日の欧州市場で発表されるトルコ中銀のインフレ報告を前に、これまでの買いポジションに調整が入った様子でした。
このインフレ報告では今年のインフレ率が昨年から0.6%下げて14.6%としました。依然として高い数字ではありますが、中銀による引き締めの効果が出ていることを好感され、トルコリラ買いの動きへと反転、さらにFOMCにおいて米国の利上げ思惑が一段と後退したことも新興国通貨にとっては好材料とされ、週末に向けてはそのままじり高の動きとなりました。
今週は週初にCPIが発表されますので、先週のインフレ報告と合わせて中銀の想定しているインフレ率に近づく兆しがあるかどうかが多少は注目されますが、単月の数字の変化では中銀の政策に影響を与えるほどのことも無いでしょう。また、昨日日曜の現地時間19時にエルドアン大統領は3月31日の地方選に向け与党AKPのマニフェストを発表しました。
まだ2か月弱ありますが、今後トルコ国内では選挙に向けて与野党ともに活動が活発になってくることが予想されます。こちらはある程度状況が見えてきた段階で改めて記事にしたいと思います。他にはあまり目立った材料がありませんので、今週もテクニカルな面から見ることとします。
トルコリラ円は21円台を回復したことで、1月急落前にもみあっていた水準へと戻してきたこととなります。本日はトルコリラ円の日足チャートをご覧ください。
12月3日高値22.04から1月3日安値17.99への下げに対して、現在は78.6%(61.8%の平方根)戻しにあたる21.17レベル(赤のターゲット)を目指した上げであることがわかりますが、同水準は12月のほとんどの期間にもみあっていた水準とも重なります。同水準から12月もみあいの高値圏21.41レベルにかけては、いったんレジスタンスとなってくることが予想されます。
また、1月以降は上昇ウェッジ(ピンク)の中での動きを継続していますが、こちらは上下ともにかなり値幅を縮めてきていますので、今週当たり上抜けして上記レジスタンス水準あたりまでの上げにつながる可能性が高いと考えています。少し拡大してみるために、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
先ほどの日足チャートの各ラインに加えてサポートラインと平行なラインを引いてあります。日足チャートで示されたウェッジを上抜けた場合には、この平行ラインで示される上昇チャンネルへとさらに底堅い動きをする可能性を考えています。矢印で示した部分が上側のラインが変化する部分です。
先週の米国FOMC後の米金利上昇停止の思惑もいまだ材料視されやすいこともあるため、今週もトルコリラ高を考え、20.60レベルをサポートに、先ほど示した21.40レベルをレジスタンスと21円挟みの一週間を見ておきます。
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