米国イールドカーブと日米金利差
(1)米イールドカーブ
下図は米国債券のイールドカーブを示しており、黒は直近、青は1年前となっています。
昨年、FRBは3回の利上げ・計0.75%を実施し、12月末にはFFレートを2.25〜2.5%レンジ内に短期金利の誘導を図ることにしました。
実勢の1ヶ月物金利は2.41%(=黒い線の1m)付近で推移しています。1年前が1.32%付近で推移していたので、短期ではFFレート上げを反映して約1%強上昇したことになります。
一方で、10年物米国債金利は1年前2.54%付近で推移していたものが、現在は2.7%〜2.75%で推移しているので、約20ベーシスしか上昇せず、巷間言われているイールドカーブのフラットニングが進展したことが解ります。
今年の利上げ予想は既に1〜2回程度に減っていますが、このまま行けばもし2回利上げでもFFレートは2.75〜3.00%になります。仮に10年債が昨年程度の上昇幅とすると約3%弱になりますので、一層のフラットニングになるか、場合により逆イールドの可能性も出てきます。
現状で考えられるのは米国金利の上昇度合いに歯止めが掛かる可能性が高くなっていることです。
米国債イールドカーブ(黒:直近、青:1年前)
(上記チャートの出所:2019年1月16日MarketWatch紙)
(2)日米金利差(右目盛り:%)と為替(左目盛:円)
上図は過去3年間に亘る日米10年債金利差とドル円レートです。為替・金利共に毎週金曜日の終値(金曜日が祝日の場合は木曜日の終値)を使用しています。
この図を見ると金利差と為替の相関性がある程度強いと見て取れます。2018年1月〜3月にかけて(上記の○印)の時点だけ、一時逆相関になっていますが、この時は米国の利上げ姿勢明確化による日米株価の大幅下落となったケースで、リスクオフの円買い相場となりました。
イールドカーブから見た米国金利の上昇余地の少なさを見ると、今年の金利差は僅かな拡大か横這いが予想されます。
一方で、最近のFRB地区連銀総裁や理事などのコメントでは、米景気先行き鈍化を示唆するケースが散見されています。
現状の米経済状況では予想し難いですが、万が一、米国が緩和方向に舵を切り替える様なことがあれば、金利差は今以上に縮小することがあり得ます。
(2019年1月16日14:45、1ドル=108円51銭)
オーダー/ポジション状況
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