<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、前日のNY時間あたりから108.30円レベルが底堅く、結局東京時間も同レベルを割り込むことは出来なかった。
ドル/円は、108.65円レベルで寄り付いたのち、日中高値の108.70円前後を示現。しかし、ドル買いは続かず軟落すると、108.35-40円へと値を下げている。英国情勢に対する警戒感が指摘されたほか、前日比20円高とプラス圏で寄り付いた日経平均株価がマイナス圏へ転落し、大引けでは112円安となったことなどが嫌気されていたという。16時時点でのドル/円は108.45-50円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、本日東京の早朝に判明した「英議会によるEU離脱合意案の採決」について。
「否決」はある程度事前に織り込まれていたものの、結果は賛成202に対し、反対432のダブルスコアと予想外の大差となった。ただ、直後の反応は「噂で売って、事実で買う」−−の市場格言通り。急速なポンドの巻き戻しが観測されている。
なお、この件に関して英国を含む欧州要人から複数の発言が報じられていた。一例を挙げると、欧州委員長「英は無秩序離脱のリスクが高まった」、EU大統領「EU残留が唯一の前向きな解決策」、英財務相「離脱交渉延長求める可能性を否定しない」、仏大統領「英離脱合意案の修正は困難」−−などとなる。
<< 欧米市場の見通し >>
英議会採決をにらんだ思惑が飛び交ったこともあり、昨日欧米時間からドル/円はなかなか激しい上下動。ただ、形成レンジそのものは108.30-80円といった50ポイントにとどまり、明確な方向性はうかがえなかった。ごく目先の50ポイントレンジはさすがに狭すぎるものの、先週来のレンジである107.77-109.09円というボックス相場がいましばらく続く可能性を否定出来ないだろう。
マーケットは引き続き英国情勢を注視している。否決の結果が出た直後はショートカバーが先行しポンド高に振れたものの、やはり積極的に買い進める材料ではないとの見方が有力だ。果たして、落とし所はどういったものになるのか、本日も関連ニュースなどには要注意。一方、米国に関しては依然として、暫定予算失効による「米政府機関の閉鎖」の行方が気掛かり。果たして閉鎖解除に向けた進展は、本日あるのだろうか?
テクニカルに見た場合、それなりに値動きがあるものの、レンジ内の往来相場で明確な方向性は乏しい。実際、107.77-109.09円というレンジは早くも2週間近くに達しており、どちらに抜けていくのか、その方向性が注視されている。
なお、3日記録した104円台はさすがに行き過ぎ、106円台でさえ遠いイメージだが、レンジの下限を割り込むようだと107円前後をターゲットに、続落する展開が見込まれているようだ。逆にレンジ上限を超えるようだと、110円台回復が視野に。
一方、材料的に見た場合、1月のNAHB住宅市場指数をはじめとする幾つかの米経済指標が発表されるほか、ゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカなどの米金融機関大手の決算発表にも一応要注意。
そのほか、昨日の投票結果を受けた英国情勢のほか、スウェーデンで実施される「北外務次官と米特別代表の会合」も気掛かりだ。後者については、「第2回首脳会談を控えるなかでの実務者会合」とされており、具体的な日程や開催場所が決定する可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.10-109.10円。ドル高・円安方向は、昨日高値108.77円の攻防にまずは注視。抜ければ直近高値109.09円、そして昨年11月高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ半値戻しに当たる109.15-20円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京でも割り込むことは出来なかった108.30-40円に位置するサポートをめぐる動きを注視。割り込んだ場合には今週安値の107.98円が視界内に捉えられそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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