過去8年間弱の豪州株式・NZ株式及び為替の動き
豪州株価指数とNZ株価指数推移(2018年12月12日末現在)
12月中旬になりましたが、株高調整が続いています。
オーストラリア、ニュージーランドも例外ではなく、幾つかの上昇サポートラインを下抜いてきました。
豪州・NZそれぞれの株式を12日終値ベースで比較すると、豪州株が8月30日高値(6,373ポイント)から▼8.9%、NZ株が9月24日高値(9,381ポイント)から▼6.9%の下落となっています。他国と比べると下落率(昨日終値ベースで日経平均株価は▼12.8%、S&P500で▼10%)はやや少ないですが、世界的な株安の流れに追随しています。ファンダメンタルズみると、米国を除き他先進国と比べて良好なので、株安の影響度合いが少なくなっています。
NZ株はチャートのオレンジ色のラインです。AのNZ株高上昇ラインを維持しています。途中、急上昇の@を2016年に下抜いてから、暫くBのラインを維持していましたが、遂にこのサポートも下抜けました。これで最初のAのラインまでの下値余地が広がっています。
豪州株は青のラインです。2016年から上昇度合いが少し上がったCのラインを維持していましたが、先月に下抜けて、NZ株と同じスタート時点の緩やかなサポートライン方向になっています。NZ株と比較して上昇幅には大きな違いがありましたが、今年の下落率も豪州株の方が大きくなっています。
株価を比較するとNZ>豪州になっています。
2国間の相対株価と為替を比較したものが、このチャートになります。
2国間株価指数比(オレンジ:「豪州株÷NZ株」で表したもので、上方向が豪州株高、下方向がNZ株高)となっています。
チャートで2018年6月まで横這っていた(ほぼ豪州株高=NZ株高)オレンジ色ラインは、再度、NZ株>豪州株となり、従来の緑色トレンドラインを継続しています。12月になってから若干ですが、豪州株>NZ株となっています。しかしこの緑の抵抗線を上抜かないと、はっきりしたトレンドができません。2016年末に豪州株の方がNZ株より良かった時期(上チャート○印)を除いて、ほぼ一貫してNZ株が強い状態を維持しています。
この株価を見ながら、青の為替を見ると、相対的に弱い株価を反映して、豪ドルがNZドルとほとんど変わらない横這い推移になっています。やや豪ドル高トレンドにはなっていますが、12月に入り赤い平行線の下限まで豪売りNZドル買いになっています。2国間の絶対値ベースでのファンダメンタルズ比較では圧倒的に豪州経済>NZ経済ですので、為替はパリティまであっても1以下に豪ドルが安くなるリスクは少ないと見ています(豪州経済のGDPがマイナスで、NZ経済がプラスなら別ですが)。但し、ここ数年間の政策金利はNZ>豪州ですので、0.25%差といえNZドル選好になりがちです。
さて、その豪ドル/NZドルの相場は、前回(11月時点)のレポートで、
「…大きなレンジ内のサポート1.0870NZドルは切れて、大きなレンジ下限1.0590NZ(〜1.1470NZドル)ドルを探る方向になっています。この途中の1.0650〜60、1.0630、1.0590NZドルの順にサポートがあります。一方で上値抵抗線は1.0760〜70、1.10850〜60NZドルにあります。まだ金利差あるので、引き付けて買いたい形になっています。」
としましたが、12月に入り、この大きなレンジの下限も切れて、新たな豪ドルの底値を確認する動きになっています。
現状では2017年6月の1.0380NZドル、同年1月の1.0310ドル、2016年9月1.0230NZドル、大底が2015年4月の1.0060NZドルの順にサポートがあります。短期的には現在1.0400〜1.0600NZドルの豪ドル安トレンドラインを形成しており、1ヶ月で約180ピップスの豪ドル下落になりますので、1月中旬には上記サポートの1.0230NZドルまでの下値余地が入ります。
上値は1.0580NZドル、1.0600〜10NZドルに抵抗線があり、後者を越えて終われば短期的な豪ドル安トレンドラインの上抜きとなりますので、これを確認後の押し目待ちが良いかもしれません。
2019年4Qには豪州の方が先にNZよりも利上げ開始するとのエコノミストの見方が一般的ですので、利上げ開始してからのポジションメークがリスク少なくなりますが、相場はその前に底値を付ける事が多いので、豪ドルの買い場探しの状況は続きます。その前に豪州株>NZ株の動きがでてくれば良いのですが。
(12月13日15:00現在、1豪ドル=1.0530NZドル)(前回は11月13日掲載)
オーダー/ポジション状況
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