トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返りですが、上昇チャンネル継続を考えざるを得ず「18.70レベルをサポートに19.60レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.92レベル、高値が20.36レベルと予想レンジより大きく上抜け20円の大台にも乗せる動きとなりました。
先週のトルコリラ円は、トルコ政府から誰もが首をかしげるインフレ対策が出され、また既に織り込み済みでもあった米国人牧師解放と、材料的には決して積極的にトルコリラを買うような状況でのスタートではありませんでした。しかし急落後の戻し高値19.40(8月16日)を上抜ける動きとなったことでテクニカルに買いで追いかけやすい地合いとなりました。
その後、20円の大台を目指して一段高となりましたが、20円の大台乗せで値ごろ感から売った向きもあったようで、そのあたりのストップも思いがけない高値示現につながったようです。
また、これは本当にその見方でいいのか個人的には疑問を感じるところですが、イスタンブールのサウジアラビア領事館でサウジアラビア記者が殺害された事件に関して、トルコと欧米とが協力する姿勢を見せているために関係改善の可能性があるというものです。米国も米国人牧師解放の後ということもあるのでしょうか、トランプ大統領含め真相究明でトルコとの足並みを揃えるとのこと。仮に、これがトルコリラ買いの材料になっているのだとしたら、収束すれば消える材料であり注意が必要かもしれません。
また、本邦個人投資家もここに至るまでのトルコリラ高の動きの中で、10月に入ってから少しずつトルコリラ買いのポジションを増やしている様子が見られ、少なくとも個人の間では嵐は過ぎたとの見方が広がりつつあるようです。ただ、さすがに以前ほどのポジションのサイズではなく過去の水準から考えても驚くような数字とは言えません。
さて、今週ですが最大の注目材料としてはトルコ中銀による政策金利発表があります。しかし、9月の会合で24%にまで大幅な利上げを行った直後でもありますし、現状はその効果を見極めたいというところで、コンセンサスも今回は現状維持です。高金利を嫌うエルドアン大統領から、批判するコメントが出てくる可能性はあるものの、トルコ中銀のスタンスとしてはインフレと戦う姿勢は維持するものと思われます。
そうなると、現在のトルコリラは引き続き上昇トレンドを辿るのか、ということになりますが、今週はまずは日足チャートで現在のトルコリラ円の位置を確認してみましょう。
トルコリラ円日足
下げ続けた動きなので起点とする高値はいくらでもありますが、ここでは急落前の7月高値24.47を使います。そこから最安値の15.48までの下げに対する半値戻しが19.97とほぼ20円の大台と重なり、いったんターゲットとしてはよいところまで戻したと言えます。次のターゲットは61.8%戻しの21.03と大台替わりの21円となりますが、ある程度好材料が出た後ということもあって、いったん調整が入りやすい水準と考えられます。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
最近は上昇チャンネルを残したままにしていますが、見事なまでに上昇チャンネルを維持した相場が続いています。先週はチャンネル上端で抑えられたこともあって、短期的にもそろそろ調整が入ってもいいタイミングです。今週は先週高値圏20.40レベルをレジスタンスに、19.20レベルをサポートする週を見ておきます。
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