トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、下げを継続しやすいと考え「17.85レベルをレジスタンスに、史上最安値に近い15.50レベルをサポートとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が16.43レベル、高値が17.43レベルと1円幅のレンジは最近のトルコリラ円にしてはかなり落ち着いた値動きの一週間だったと言えます。
先週のトルコリラは、前週後半に再び下げ始める動きとなったことに加えて3日に発表されたCPIが年率17.9%と高い伸びを示したことも重なり、トルコ中銀としても今週の会合を前に市場参加者を落ち着かせる必要があると考えたのだと思います。3日に「中銀は物価安定を支援するために必要な対応を取る」として「金融スタンスは最近の動向を踏まえ、9月の金融政策委員会で調整される」と事実上の利上げ予告を出しました。
このトルコ中銀の声明を好感し、先週のトルコリラは下降トレンドから横ばいへと転じ、対円では16.50レベルをサポートとする値動きとなりました。それ以外のトルコを取り囲む状況は米国との関係は改善も悪化も無く、また他にも外交関係のニュース等いくつか出てはいたものの、どれもトルコリラ市場には影響はありませんでした。そのせいか先週の動きは3週間前の犠牲祭で休場となった週と同レベルでの静けさでした。
これが嵐の前の静けさなのか安定の兆しなのか、今週の中銀の発表に市場関係者の目が集中しています。本日もGDPの発表があり、本来ならば大きな材料となりますが、方向感が出るような動きは取りにくいものと思われます。
そして注目の政策金利ですが現在は17.75%ですが、多くの人は大幅に上げなければ効果が無いであろうとの判断から5%近く上げるのではとの思惑も多いようです。しかし現状のトルコの金利市場の状況から考えると利上げ幅は21.5%〜22.75%と平均して22%前半レベルというあたりが予想の中心値となっているようです。仮に21%以上の水準に上げれば、市場参加者も納得しそうな感じですから無事にイベント通過というところでしょうか。逆に20%未満であるか、最悪のケースとしてエルドアン大統領に忖度するような結果だとトルコリラに改めて売りが入る可能性があります。
また最近の新興国通貨の中で売りをリードしていたアルゼンチンペソですが、先週はこちらも落ち着いた動きをしていました。
後からトルコリラと比較しやすいように、今週はドル・アルゼンチンの4時間足チャートを出してみます。
市場が薄く取引がほとんど行われていなさそうなチャートですが、それでも2週間前の41.469をペソの最安値にして先週は週半ばにペソ安が目先は収まったようなチャートになっています。ただ、まだ予断は許しませんので、新興国通貨を考える時には参考に見て行くべき通貨であると思います。
こちらは、トルコリラの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)です。
4週前のレンジから考えると、対円ではちょうどレンジの半値にあたる17.41を境に再び上に戻しが入りそうなチャートに見えます。中段の対ドルでもほぼ同じですね。ここからすると、中銀の政策金利発表如何でこの水準の上に行けるかどうかという感じですが、市場予想通りに大幅利上げがあるとすれば、犠牲祭の週のレンジへと戻し、失望に終わるとここ2週間の安値圏を下抜けて、再び史上最安値を伺う展開と考えられます。
さすがに、後者は声明発表をした後の自殺行為となりますので、期待に沿った結果になると考え、16.90レベルをサポートに18.10レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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