日銀黒田総裁会見後もドル円やや上昇
本日の日銀黒田総裁の記者会見をごくごく簡単にまとめると
今回の展望リポートでインフレ見通しを引き下げたように、目標とするインフレ率達成には予想以上に時間がかかることが次第に明らかになりつつある。そうした中で、今後の金融緩和政策の長期戦に備えて、今回政策変更を行った。現在は長期金利の変動幅が狭いため市場が機能不全に陥っているように見える。10年物国債の変動幅の許容を現在の倍程度上下0.2%とすることで債券市場の機能を改善して緩和の持続性を増すことが狙い。
政策金利引き上げの意図は無く、同時に導入されたフォワードガイダンスにより早期に出口に向かうとの観測は完全に否定できる。
ということでした。
ドル円は会見終了後にやや上昇。17:00現在は111.40-45レベルと本日の高値圏で推移しています。
黒田総裁の会見に利上げの必然性を示す内容は無く、むしろ10年国債の±0.2%の幅が明らかになったことで、利回りの下限を試す可能性すらあるのではないかと感じさせる内容でした。会見前後に日本国債の10年物利回りは一時0.04%台まで低下。約二年ぶりの低金利により、主要通貨に対して円売り優勢となっています。
金利上昇や極端な円高を誘発せずに金利正常化への道筋をつけたという意味では、今回日銀は鮮やかな手腕と市場との対話で成功を収めたと言えます。ただ、これがいわゆる低金利の「副作用」の軽減につながるのか、また、そもそも大きくインフレ見通しが引き下げられたという根本的な問題部分を市場がどう消化するのかは、明日以降の本邦債券、株式市場の反応待ちといったところでしょうか。
ドル円5分足
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