<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場は、小幅ながらドル高・円安。先週26日以来、ドルの上値を阻んできた111.25円を超え、一時111円半ばまで値を上げている。
ドル/円相場は、111.00-05円で寄り付いたものの、注目の日銀会合結果発表待ちでしばらくは揉み合い。110.90-111.10円といった凪相場をたどるなか、通常より日銀会合の結果発表が遅れたこともあり、思惑が交錯し一時乱高下となったが、発表された内容が「当分のあいだ超低金利政策を持続」となったことを好感し、ジワリとドル買い・円売りが優勢に。日中高値である111.40円台まで値を上げた。
また、そののちは黒田総裁の記者会見などをにらみつつ、若干不安定な展開をたどるも、16時時点では111.15-20円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、前述した「日銀の動き」。
ただ、それ以外でも、前日のNY時間にトランプ米大統領が改めて「政府機関の閉鎖もありうる」と恫喝し物議を醸したが、そののちWSJ紙は「トランプ氏が中間選挙終了までは政府機関の閉鎖を回避する意向」と報じたことで、影響はさほど大きくならなかった。また、NAFTA再交渉についても、ロイターが「米とメキシコ、閣僚級協議を2日に開催予定」と報じる一方で、ナショナル・ポストは「カナダ、NAFTA協議から排除される可能性」と報道、カナダドルが荒れ模様の値動きをたどるキッカケになっていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
先週26日以来、ドルの上値を阻んできた111.25円を本日の東京時間に超えてきたものの、先週高値である111.55円には届かず。そうした意味では、レンジを上抜けたとは言えない状況だ。足もとは、大きな流れにおけるドル高トレンドのなかの調整局面に位置し、抜けるとすれば上方向にバイアスと考えているものの、いましばらくのあいだ111円を中心としたレンジ取引が続く可能性も否定出来ないだろう。
材料的には、注目だった日銀会合の結果を欧米市場筋がどう評価するのかも気になるが、一応の決着をみたことで、関心は明日に予定されているFOMC会合や継続案件である米貿易問題について、徐々に移行しつつある感も否めない。ちなみに、後者については先で指摘した「米とメキシコ、閣僚級協議を2日に開催予定」、あるいは「新たな日米通商協議、8月9日初開催で最終調整」−−などといった状況下、本日についても「日欧加など、米の車関税で次官級協議」を開催する見込みだ。具体的な協議内容なども気にかかる。
テクニカルに見た場合、本日の東京時間はドル買いが優勢となったが、先週来形成している110.50-111.50円といった1円レンジにはいまだ留まっている。つまり、引き続きまずは、前述レンジを上下いずれに抜けていくのか、その方向性を注視したい。
ちなみに、上抜けた場合には7月高値113.17円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻し111.65-70円や、同半値戻し111.95円などがターゲット。対して、下放れた際には移動平均の75日や200日などの中長期線が位置する110.10円前後を目指す展開となりそうだ。
一方、材料的に見た場合、6月のPCEデフレーターや7の月消費者信頼感指数などの米経済指標が発表されるほか、アップルをはじめとする米企業決算発表も予定されている。それらの内容は当然要注意。
また、明日までの予定でFOMCが開催されるうえ、今後重要な米貿易協議が予定されるなか実施される「日欧加など、米の車関税で次官級協議」開催には注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.60-111.60円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間に記録したドル高値111.45円レベルが最初の抵抗で、上抜ければ111.55円、111.65-70円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値である110.70円レベルの攻防にまず注視。ただ、示現した時間は極めて短く、かなり底堅いイメージだ。(了)
ドル円5分足
オーダー/ポジション状況
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