ドル円乱高下、日銀はフォワードガイダンス導入
日銀は午後一時過ぎに本日まで開催された政策決定会合の結果を公表、従来の金融緩和継続のための枠組み強化のためとして従来無かった政策金利のフォワードガイダンス導入を決め、「当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」とのガイダンスを声明文のトップに加えました。
注目された長期金利の操作に関しては金利目標水準に変更はありませんでしたが、「金利は経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」と市場予想通り柔軟性を持たせる表現が付け加えられ、ただし脚注で「金利が急速に上昇する場合には、迅速かつ適切に国債買い入れを実施する」と釘を刺しました。
また、同時に短期金利に関して、マイナス金利の適用される日銀の当座預金の対象残高を現在の約10兆円から半分の5兆円に減少させる方針も示されています。
加えて、ETFの買い入れについては購入額を維持しながら、TOPIX連動型の買い入れ比率を増やし、日経平均連動型の比率を下げる配分の変更を行っています。
尚、同時に発表された展望リポートでは今年度の物価見通しを+1.3%から+1.1%に、来年度に関しては+1.8%から+1.5%にそれぞれ下方修正、2%物価目標達成が当面見込めないことがより明らかとなっています。
この発表を受けてドル円は直後には110.75まで下落しましたがすぐに反転し、111.44まで急上昇する荒い値動きとなりました。14:00現在は111.02近辺と午前の水準に落ち着いています。また10年物国債利回りは0.10%から一時0.06%に低下する反応を見せています。
声明文の範囲では、事前予想通り長期金利上昇に柔軟性を持たせる内容であり、マイナス金利の適用金額を大幅に減少させる部分は予想以上のタカ派的対応といえますが、フォワードガイダンスの導入で金融緩和継続を前面に打ち出したこと、長期金利は上昇のみならず上下に金利変動を許容するというあいまいな内容で、政策金利目標にも変更が無かったことから、当初予想ほどの市場へのインパクトは無かった印象です。
ただ、各市場ともやや材料として消化不良の感もあり、市場は15:30からの黒田総裁の記者会見待ちです。
ドル円5分足
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