【概況】
6月26日安値109.36円から反騰に転じ、6月29日には6月21日高値、さらに6月15日高値も超えた。週明けの7月2日には111.06円まで上昇して5月21日高値111.38円以来の111円台に到達し、一旦下げたものの2日早朝安値割れには至らずに6月26日から継続してきた底上げパターンを維持、7月3日午前には111.13円まで高値を更新した。
3日午後にも111.11円まで上昇したが新たな高値更新には至らずに夜間で失速、7月2日夕刻安値、さらに2日早朝安値を割り込んだ。この結果、6月26日以降維持してきた高値更新後の反落でつける安値も切り上げて一段高を繰り返す強気パターンが崩れた。また60分足の一目均衡表では27日から先行スパンを突破した状況を維持して上昇してきたが、5日ぶりに先行スパンから転落した。
7月4日は米独立記念日により米国市場は休場。休場明けの7月5日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月12〜13日開催分)が公表される。さらに6日には米雇用統計、さらに米国による中国に対する大規模な制裁関税の発動も予定されている。休場と休場明けの重要イベント前ということでポジション調整に入ったという印象だ。
【人民元動向、週末への重要イベント反応に注意】
7月3日は人民元が11か月振り安値となる1ドル6.7元まで下落したが、中国人民銀行(中央銀行)総裁が最近の人民元安について「注意深く見守っている。主にドル高や、外部の不確定性といった要因が影響している」「目下、中国経済のファンダメンタルズは良好で金融リスクはコントロール可能だ」とHP上で述べたことから人民元が反発、また当初下落していた上海株も反騰した。これが一つのきっかけとなってユーロ、ポンド、豪ドル等も戻したためにドル高感が一服、ドル円も調整安入りするきっかけとなったように思われる。
米連銀のFOMC議事録で残り年2回の利上げ確率が高まり、米雇用統計が強い内容となるならドル高感が進む可能性がある。その一方で米中貿易戦争が本格的に開戦となるのかどうか、6日の米国による関税発動か回避・延期かにより事態も深刻化ないしは安堵へと大きく動く可能性がある。また米連銀の利上げ姿勢云々以上に貿易戦争本格化を警戒してリスク回避型の市場行動が強まれば、ドル圏でのドル高となる一方でクロス円での円全面高、ドル円でも円高という可能性もあるだろう。そのあたりを見定めて臨機応変に対処してゆくことになるのだろう。
【60分足 一目均衡表、サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月26日安値をボトムとして上昇してきたが、26日安値から5日を経過したために6月28日夜安値を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとしてきた。また今回の高値形成期を7月2日から4日夜にかけての間と想定したが、7月3日午前高値から0.50円以上の反落となり、2日午前安値を割り込んだために3日午前高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りと考える。今回の安値形成期を7月4日の日中から5日夜にかけての間とするが、丸1週間の連騰後に下落している事と、7月5日及び6日に重要イベントを控えている事を踏まえ、7月5日夜を超えて下落する場合には7月2日と7月3日の高値を小ダブルトップとした下落期入りとして安値形成期が9日の日中まで伸びる可能性も検討される。また直前の下落幅の半値以上を解消する上昇となるところからは新たな強気サイクル入りにより高値更新へ進む可能性ありと考える。
60分足の相対力指数は6月27日高値形成時に70ポイント台をつけて以降は70ポイント台に乗せられずにピークがやや切り下がってきていたが、3日夜の下落で45ポイントを割り込み、4日午前では30ポイントまで下げている。このため50ポイント台を回復、維持へと戻せない内は20ポイント台前半への下落余地ありと注意する。まだ強気逆行型は見られていないので、小反発後に安値を更新し、指数のボトムが切り上がる場合は強気逆行型として反騰入り注意と考える。
60分足の一目均衡表では27日朝への上昇で先行スパンを突破してからは突破状況を維持してきたが、3日深夜の下落で先行スパンから転落し、遅行スパンも悪化している。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、遅行スパン好転からは上昇再開の可能性ありとして高値試し優先へ切り替える。その際は先行スパンが戻り抵抗となってくると思われるが、先行スパンを再び突破する上昇発生からは一段高へ進みやすくなると思われる。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初の下値支持線を110.25円、上値抵抗線を110.75円とみておく。
(2)110.75円以下での推移中は一段安警戒とし、110.25円割れの場合は110.00円前後試しを想定する。110円以下は突っ込み警戒、反騰注意とするが、110円前後まで下げた後で110.50円以下に留まる場合は5日の日中、夜にかけて下落継続余地ありとみる。
(3)110.75円以上を維持し始める反騰の場合は新たな強気サイクル入りの可能性ありとして7月3日高値111.13円試しを想定するが、その前後でダブル天井を形成しやすいと注意する。上昇再開、一段高へ進むには5日、6日の重要イベントを強気で通過してゆく必要があると思われる。
【当面の主な予定】
7/4(水)
NY市場 休場(独立記念日)
10:30 (豪) 5月貿易収支 (4月 +9.77億豪ドル、予想 10.00憶豪ドル)
10:30 (豪) 5月小売売上高 前月比 (4月 +0.4%、予想 0.0%)
16:55 (独) 6月サービス業PMI改定値 (速報値 53.9、予想 53.9)
17:00 (欧) 6月サービス業PMI改定値 (速報値 55.0、予想 55.0)
17:30 (英) 6月サービス業PMI (5月 54.0、予想 53.9)
7/5(木)
15:00 (独) 5月製造業受注 前月比 (4月 -2.5%、予想 1.0%)
19:00 (英) カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
19:30 (欧) メルシュ欧州中銀(ECB)専務理事、ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
21:15 (米) 6月ADP全国雇用者増加数 (5月 +17.8万人、予想 +19.0万人)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 22.7万件)
23:00 (米) 6月ISM非製造業景況指数 (5月 58.6、予想 58.0)
27:00 (米) FOMC議事録(6月12・13日分)
オーダー/ポジション状況
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