NZの2018年第1四半期GDP結果
21日早朝に公表されたNZの第1四半期GDPは上の通りとなりました。
前期比・前年比ベース共にエコノミストの予想通りでした。また2017年4Q数値も前回と同じ数値(前期比ベースが+0.6%、前年比べースが+2.9%)でした。
NZのGDP推移(棒グラフ:前期比、折れ線グラフ:前年比)出所:NZ統計局
上図はNZ統計局作成の前期比・前年比ベースGDPです。年率ベースの折れ線には3%に赤い線を加えています。概して2017年以降は成長率が低めに推移している様子が伺えます。引き続き、年率3%を回復する兆しが見えていません。他先進主要国との比較では格段の成長率ですが、NZ中銀の金融政策を変更させるには十分な成長にはなっていません。
@ GDPの内容を見ると(前期比ベースの伸びで比較)
家計消費は伸びがゼロ(前期+1.2%)、農業生産が回復し+0.4%(前期▼2.8%)が牽引しています。また16産業部門の内13部門が上昇しています。
輸入は機械設備やプラントが増えて増加、輸出は全般的に小幅減になっています。
A NZのGDPの大きさは下図です。(出所:NZ統計局)
GDPの約57%強を家計支出が占めています。規模は2850億NZドル(21兆5175億円)です。
GDP内訳
B 家計消費支出…青:前期ベース、オレンジ:前年比ベース、出所:NZ統計局)
消費が低迷しています。同時に発表された可処分所得が前期+0.1%(前年比+3.4%)の伸びに留まっており、まだ消費の回復は遅いと思われます。
相場は発表前に1NZドル=0.6860〜65米ドル付近で推移していましたが、予想通りの数値に暫く横這っていたものの、内容的に消費の弱さなどを内包したことで、NZドルは30ピップス程度売られています。その結果、0.6850米ドルにあった前回底値を若干下抜けています。
まだ今日の終値で0.6850米ドル越えの回復を確認できれば、下抜けはヒゲだけで、ダブルボトムになりますのでNZドルの戻りが期待できます。
しかしながら、このまま切れて終れば昨年11月の0.6810〜20、底値の0.6780米ドルまでのNZドル安の余地が広がります。
トレンド自体はまだNZドル安は変わっていません。この流れを戻すには最低でも0.69米ドル台へ戻って終わることが必要になります。(6月21日11時10分、1NZドル=0.6840米ドル)
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