注目材料多く、レンジブレークの期待は高い(6/1夕)

1日の東京市場は、ドル高・円安。値動きそのものは50ポイント程度にとどまったものの、2日続けてしっかりとは回復できなかった109円台に乗せてくるなど

注目材料多く、レンジブレークの期待は高い(6/1夕)

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場は、ドル高・円安。値動きそのものは50ポイント程度にとどまったものの、2日続けてしっかりとは回復できなかった109円台に乗せてくるなど、ドルの強さが目についた。

ドル/円相場は、108.80-85円で寄り付いたのち、しばらくのあいだ揉み合い。株価の動きなどをにらみつつ、108.70-90円といった凪症状となったが、仲値前後の時間帯に上抜けすると、そのまま日中高値である109.25円レベルまで一気に値を上げた。
ドルは高値を示現後やや上げ渋るも底堅い。16時時点では、109.15-20円の日中最高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」。前者について、カナダ財務相が「米鉄鋼関税、G7の主要議題に」と発言するなか、日欧の複数要人から懸念や反発の声なども聞かれていた。また、自国である米国内からも「米商工会議所、貿易政策で260万人の雇用が脅かされるとの認識」−−といった疑念の見方が観測されていたようだ
それに対して後者は、ロイター「トランプ米大統領、米朝首脳会談は複数回開催も」、朝鮮中央通信「北委員長、半島非核化の意思は変わらないと認識」との報道が一部で話題となっていた。

<< 欧米市場の見通し >>

一言でいうなら、足もとはドル高の調整局面なのだが、価格調整であるのか時間調整であるのかは、まだ不透明だ。個人的には3月末から4月初旬にかけての2週間程度続いた2円程度、つまりは108.00-110.00円といったレンジ取引が、いましばらく続くことを期待しているが予断は許さない。とくに下方向の場合、108円レベルをしっかり割り込むようだと、なし崩し的にドル安が進み、レンジが下方修正される可能性もありそうだ。
材料的にも、本日は注目要因が目白押し。一例を挙げれば、欧州のスペインではラホイ首相への不信任決議案が採決される見込みで、不信任はほぼ確実視されている。また、5月の米雇用統計発表や、G7財務相・中銀総裁会議が開催される予定であり、うち後者は先でも指摘したように「米鉄鋼関税が主要議題」となる公算が大きい。貿易戦争をめぐる動きには注意する必要がある。

テクニカルに見た場合、5月21日にドルは高値111.39円を示現後、108.12円まで一時3円以上値を下げたものの、足もとは小康状態。リスクという意味では、下方向にバイアスがかかりそうだが、しばらくは108円前後を下限としたレンジ取引が続く可能性も否定出来ないのかもしれない。
ちなみに、テクニカルな次の下値メドはまず108円レベル、そして一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する107.60-65円などが意識されているようだ。対する上値メドは、移動平均の25日線や一目の基準線など複数のテクニカルポイントが位置する109.65-75円、そして110円レベルなどとなる。

一方、材料的に見た場合、5月の雇用統計や同ISM製造業景況指数といった幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。なかでも、市場の関心がもっとも高い米雇用統計・非農業部門雇用者数についての事前予想値はプラス19万人程度で、前月(プラス16.4万人)より改善が見込まれているようだ。ただ、先日発表されたADP雇用統計は事前予想値を下回る内容であり、今回も過度の期待は禁物かもしれない。
そのほか、先で指摘した「G7財務相・中銀総裁会議」やスペインの政治情勢、米朝首脳会談に向けた動きなどにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.30-109.70円。ドル高・円安方向は、東京高値である109.25円レベルの攻防にまずは注目。抜けると、25日線などが位置する109.65-70円が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値の108.40円レベルや、前回ドル安値108.12円がサポートか。その少し下に位置する108円前後の攻防も注視されている。(了)

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