トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は横方向へのもみあいを考え「利上げ後の安値圏26.60レベルをサポートに、27.20レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が25.41レベル、高値が27.11レベルと、予想よりも大きくトルコリラ安の動きが進みました。
先週のトルコリラはトルコリラにとっては悪材料だらけとなりました。1日にS&Pはトルコ国債の格付けをBBからBB−へと1ノッチ引き下げました。すでにトルコ国債はジャンク級ではあるものの、今回のS&Pによる突然の引き下げの理由に「物価が高騰する一方で、財政赤字が膨らんでおり経済環境が不安定さを増している」、「リラが対ドルで最安値を付けるなど変動率が高まり、金融が不安定さを増している」といったことをあげました。
どちらも現在進行形ではありますが、まずS&Pのアクションがトルコリラ安の動きのきっかけとなったところに、3日のCPIが前年比10.85%へと前回から上昇、S&Pのコメントを裏付けるような結果となったわけです。また主要通貨で見られた米金利浄書とドル高の動きもベースにあり、結局トルコリラは対円で25.41レベル、対ドルでも4.2900レベルとそれぞれ4月につけたトルコリラ史上最安値を更新することとなりました。
他にも6月の大統領選に向け与野党とも選挙運動を開始していますが、現段階でトルコリラに与える影響は測り切れず、もう少し時間経過が必要になってくると言えそうです。
今週は、トルコ関連で特に目立った材料は無いのですが、わずかな期間で史上最安値となってきた動きを考えると、よほどの好材料でない限りトルコの買い材料とはなりにくいでしょうし、逆に新たな悪材料でも出て来るとどこまで弱くなるのかわからないということにもなりかねません。ポジション的には先週の下げが急激とは言えなかったこともあり、依然として高水準の買いポジションが維持されています。
今週は年初来高値30.30(1月)から4月安値25.47までの下げ、その後の4月末高値27.11から先週の最安値更新を逆N波動と捉えて、長期的なトルコリラ円の安値ターゲットを示しておきたいと思います。日足チャートに逆N波動(ピンクの逆N)のフィボナッチエクスパンションを表示したチャートです。
トルコリラ円日足
これを見るとわかりますが、先々週の利上げをきっかけに4月末まで順調に上昇していたところに、S&Pの格付け引き下げがきっかけとなり新安値へと水準を切り下げてきた動きがわかります。50%エクスパンションから100%エクスパンションまで、今後節目の25円を切ってきた場合のテクニカルなターゲットを示しましたが、現状はとりあえず25円を一気に下回るような動きは考えにくいところです。
ただ、これまでにも強制決済をきっかけとした急落もありましたので、引き続き下値警戒感は怠れないと言えます。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
下の目途は大台25円で良さそうですが、戻しが入った場合は難しいところです。先々週の安値26.28(それぞれピンクの水平線で表示)はひとつの目安になるのではないかと思います。今週は大きく動いた後なので、上下にやや広めのレンジを考え、大台25.00レベルをサポートに、2週前安値に近い26.25レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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