<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場は、ドル高・円安。値幅そのものは40ポイント程度と決して大きくはなかったが、終盤にかけて107円半ばの直近高値を超えてくるなど、ドルの強さが目についた。
ドル/円は107.30-35円で寄り付いたのち、しばらくは冴えない。107.20円レベルの日中安値まで小緩んでいる。しかし、そのレベルをボトムに緩やかな右肩上がり。一時は107円半ば、今月5日に記録した前回高値圏で揉み合うも、夕方に抜けるとそのまま続伸した。16時時点では107.55-60円の日中高値圏で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、本日も「シリア情勢」。前日にトランプ米大統領がシリア攻撃について、差し迫っていない可能性を示唆するなか、ホワイトハウスから「米英首脳、電話会談でシリアへの共同の対応を協議」との発表がなされている。ただ、軍事行動的な進展はとくになく、マーケットへの影響も取り敢えずは限定的。
また、前日にトランプ米大統領がTPP復帰を示唆したことについては、河野外相が「米のTPP復帰を歓迎、ただ安易な再交渉はしない」と発言した反面、当のトランプ氏から再び「オバマ前大統領への提示より良い内容に限りTPP復帰」とのコメントが聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
依然としてマーケットでもっとも関心を集めている話題と言ってよい「シリア情勢」だが、米独仏首脳が連日の電話会談を実施するなか、マーケットでは楽観論が優勢になりつつある。また、前述した「トランプ米大統領がTPP復帰を示唆した」ことも好感され、ドルの買い材料となっている感は否めない。目先は、それら要因が後押ししドルが続伸、さらなる高値を試す可能性も否定出来ないだろう。
ただ、個人的にはシリア情勢について、市場は楽観論に傾き過ぎている気もしているうえ、来週に実施される日米首脳会談で貿易問題がクローズアップされる公算も取り沙汰されるなど、一辺倒の円売りにもやや疑問が残る。リスクは確かにドル高方向だが、さらなる上値追いには慎重さを求めたい。
テクニカルに見た場合、過去1週間ほどのレンジであった106.60-107.50円、その上限を本日の東京時間に上抜けてきた。何度もレポートしているように、次のターゲットは年初来高値113.39円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しである107.95円となる。そのレベルも上抜けた場合には、若干遠いが週足・一目均衡表の雲の下限などが位置する110円前後が薄らと視界内に捉えられそうだ。
対するドルのサポートは、これまで抵抗として寄与してきた日足・一目の雲の下限である107.15-20円。割り込むと、再び106円台突入も。
一方、材料的に見た場合、4月のミシガン大学消費者信頼感指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、ローゼングレン・ボストン連銀総裁やブラード・セントルイス連銀総裁といった米地区連銀総裁の講演も相次ぐ。それら要因には一応要注意。
また、JPモルガン・チェースやシティグループをはじめとする米企業決算も実施される見込みだ。株価の動きを左右しかねない面もあるだけに、注視している向きも少なくない。減税効果や金利上昇による利ざや改善がプラス要因として示されれば、為替市場においてもドル相場をさらに押し上げる要因となる可能性がある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.10-108.20円。ドル高・円安方向は、フィボナッチでみたテクニカルポイントにあたる107.95円が最初の抵抗で、抜ければ108.15-20円に位置する移動平均の75日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本稿執筆時しっかりと上抜けている一目の雲の下限(107.15-20円)がターゲット。ザラ場ベースはもちろん、NYクローズで超えることが出来るか、そのあたりにも注意を払いたい。割り込めば、一目の転換線が位置する106.65-70円が意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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