ユーロじり高推移
11日の東京市場でユーロドルはじり高推移。
昨晩の海外市場ではECBのノボトニー理事(オーストリア中銀総裁)がロイターのインタビューに答えて、ECBの債券購入プログラムが年内に終了するとの見通しを明らかにし、中銀預金金利の引き上げにも言及ユーロ圏の景気先行きに自信を示すとともに、最近の貿易戦争をめぐる緊張の中で「当面ユーロは安全圏とみなされ、もちろん為替相場にいくぶん影響するだろう」とも述べました。
この予想外に強気で具体的な発言にユーロは主要通貨に対して急伸、ユーロドルは一時1.2387をつけましたが、発言に対しECBの広報担当者が「同氏の発言は同氏自身の見解であり、ECBのものではない」と異例の声明を出した事から、一旦は発言前の1.2325レベルに戻しました。
しかし、その後は米中貿易戦争激化懸念の後退に伴い「有事のドル買い」が引いた事もあってユーロドルはアジア時間にかけて再びじり高となり、東京時間終盤には一時1.2387と前日高値を更新しています。
3日連続の上昇で、ユーロは日足の一目均衡表の雲や主要な抵抗線を上抜け、中期の上昇トレンドラインの割り込みも回避、一旦は下値懸念が遠のいた形となっています。
ノボトニー総裁の発言にもあったとおり、最近の米中貿易戦争の中でユーロが漁夫の利的に上昇している部分はあると思われますが、一方で最近不冴えの経済指標と、それに対してややちぐはぐ感のある最近のECB関係者の強気発言が気になるところです。
また、シリア情勢の緊迫化に数日以内にも米仏を中心とする有志連合軍がシリアを攻撃する可能性も高まっており、地政学リスクから再び「有事のドル買い」となるシナリオも考えられることからユーロの上値も限られそうです。
市場は本日20:00からのフランクフルトでのドラギ総裁のスピーチと質疑に注目、また、本日は21:30には3月の米CPIの発表も予定されています。
序盤の欧州株価指数先物はまちまちの展開。
オーダー/ポジション状況
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